東洋医療総合学科Blog

【鍼灸ブログ 大希のつぶやき】 1年生が銀鍼で刺入

2015年10月06日授業の様子

1年生がやっと銀鍼を使用し始めました(-_-)/

写真:これじゃわからんな(-_-;)


写真:キタジマさんの手をアップ。これでも銀鍼かはわからないかな。


卒業生からしてみれば「今頃?」ってなりますよね(笑)。教えている私にとっても今頃です。
ブログ「夏休みの宿題その2」でもちょっと触れましたが、授業内容を新しくした結果です。今から銀鍼を練習したほうが、1年生の鍼は上手くなる!という私の経験と直感によります(笑)
去年まで、つまり今の2年生までは4月の授業からすぐに銀鍼を使用していました。しかし、今年は10月から。全然違うでしょ。

写真:アカリンのパパのキガワ君。娘の為にも真剣にやってます!


このブログを見て頂いている受験生やご父兄の方々は「銀鍼って?」っと思うかも知れませんね。銀鍼はその名の通り、銀でできた鍼です。今現在使用している鍼の材質は多くがステンレス製です。値段も安く、曲がりにくく、錆(サビ)にも強い。ですが、昔は銀や金が主流だったんですよ。私の学生時代がおそらくちょうど移行期だと思います。だから私もそうですし、現在、名人と呼ばれる方々、ベテランの先生方は皆銀鍼で練習して治療してきたのです。銀鍼で身に付けた技術でステンレスの鍼は簡単に扱えますが、ステンレスの鍼だけで身に付けた技術では銀鍼は扱えません。素材の違いは習得技術の差となり、それは結果的に治せる治せないにまで影響してきます。

写真:キガワ君の手元をアップ!鍼管も金属製です。


どんな道具でどんな練習をするのか。そうするとどんな技術が身に付くのか。鍼灸は奥深いです。
うちの授業でよくいうのですが、いろんな種類の鍼を使うことができるけれど、自分はこの鍼が使いやすくて(好きで)使いたい、というとの、この鍼だと刺せないとか苦手だからこっちの鍼を使いますってのは全く違うよと。

弘法は筆を選ばず。

意味を説明するまでもないですが、真言宗の開祖であり能書家としても有名な弘法大師様は、どんな筆であっても立派に書いていたことから、その道の名人や達人と呼ばれるような人は道具の文句なんか言わずに、見事に使いこなしていたってことですよね。つまり、下手クソが道具のせいにするのを戒めた言葉です。

写真:コバヤシ君(笑)。上手くなりなよー。


弘法大師様とはいかないまでも、道具のせいにせず、技術でカバーできるような鍼灸師になって欲しいと常々思っております。