東洋医療総合学科Blog

【鍼灸ブログ 大希のつぶやき】 BOSTONでの鍼指導 その2

2015年11月07日イベント

アメリカのボストンで鍼灸治療の指導に来ておりますが、いよいよ指導2日目になりました。

写真:原先生のの講義開始です。※原先生は3年生の鍼灸応用実技Ⅱ担当の先生です。


初日である昨日はビギナークラスを開催したのですが、いよいよ本日のアドバンスクラスから日本の講師による指導が始まります。

写真:田坂先生が自己紹介中です。

※昨日のビギナークラスの様子はこちらから↓
BOSTONでの鍼指導 その1

中国から伝わった鍼灸治療法ですが、日本では独自の発展を遂げて今日に至ります。そんな日本の鍼灸治療法が何故海外(アメリカやヨーロッパ)でウケるのか。

写真:講義中の原先生と通訳のリーさん。


日本の鍼灸治療が課題としてきたものの一つに鍼の痛さがあります。ついでに言えばお灸の熱さもそうです。痛いを鍼を受けたいかと言ったら受けたくないの普通でしょう。しかし、我慢して痛い鍼を受けることで病気が治るならそれも納得します。しかし、痛くない鍼でも病気が治るなら、痛い鍼と痛くない鍼のどちらの鍼を受けたいでしょうか。高いけど美味しい食堂があったとします。高くても美味しいから納得しますが、安くても美味しい食堂があったらどうしますか。鍼治療も食堂もどっちが正しいとか良いとかはないです。しかし、どちらのほうが多くの人に好まれるかといったら、意見は分かれることになるでしょう。

写真:実技指導中です。ちょっと偉そうな写真だな(笑)


東洋医学では人の体と心は密接な関係があります。別に考えることはできません。
例えば、腰の痛いという患者さんは、腰にだけ問題があるのではなく、腰に痛みが出てしまう体と心に問題を抱えていることが多いです。だから、そんな状態では判断力も欠けていますし、痛かったり熱い治療を受けるには、体力も気力も必要になります。

写真:中谷先生が知熱灸と透熱灸の実技を指導するところ。中谷先生は千葉の鍼灸学校で先生もしてます。


鍼治療と食事はとてもよく似ています。
病気で入院している患者さんがいたとしましょう。元気になって欲しいからと言って、ボリュームのある食事や栄養価の高い食事を摂ってもらうことはないですよね。消化に負担の少ない食事が基本です。それではプロ野球の選手の食事に消化の楽な少量のお粥(おかゆ)だけで足りるでしょうか。足りないに決まってます。食べる人の体の状態、つまり消化力に合わせて食事の内容を決めるように、その人の体の状態に合わせて鍼の刺激もコントロールする必要があります。

写真:自分の体に透熱灸の練習中。この実技を踏まえて、明日は具体的な治療内容(どこのツボに使用するかなど)の講義と実技を行います。


日本の鍼灸治療は、そんな刺激のコントロールがとてもしやすい印象がありますね。そこがウケている理由かも。

写真:上手ですね。よくコントロールできています!


さて、明日はいよいよ最終日。早いねー。帰国が近づいてきましたよ(笑)英語に慣れてきたところで終了なんだよねー。