東洋医療総合学科Blog

【鍼灸ブログ 大希のつぶやき】 経絡的治療

2016年03月03日授業の様子

日本の医療を支えてきた鍼灸と漢方は、明治時代に政府の意向もあり西洋医学に取って代わられます。というと少し言葉が厳しいでしょうか。西洋医学という科学では説明されない東洋医学の内容を明らかにすべく、ツボとは何なのかの研究調査が行われました。

写真;鍼をします。


明治に始まり大正には、その調査報告は『改正孔穴(かいせいこうけつ)』としてまとめられ、ツボは経穴(けいけつ)という専門名称から孔穴(こうけつ)に変ってしまいました。ツボの数も300以上あったのが、ざっと半分にされてしまいます。


写真:刺します刺します!


ツボの名称である経穴と孔穴。何が違うのか。
ツボって言われるものは人体にいっぱいあるのですが、このツボを専門的に漢字で表現すると孔穴になります。現在の教科書では腧穴(しゅけつ)と言ってます。これら孔穴や腧穴は伝統的に発見された場所から、触って痛みなどの反応があるところまでいっぱいあるんです。

写真:サキちゃん、刺されて寝ます。


でも経穴は数が決まってます。経穴は経絡の上に存在するツボです。経絡(けいらく)というのは東洋医学が伝統的に見てきた人の体に存在する気の流れ道です。経穴を駅に例えると経絡は線路ってことになりますね。

写真:イノウエさんも爆睡…。


駅から電車に乗れば、線路で繋がっている駅にそれぞれ行くことができます。だから症状のある部位(駅)と関係のある線路(経絡)を確認して、その経絡の経穴に鍼や灸を用いると治療ができます。

写真:アンドゥーさん…(-_-;)


そんな東洋医学独自の経絡という考え方を主に鍼灸の治療復興される動きが昭和になってありました。そして、その治療は今尚深化を遂げて日本を代表する鍼灸治療となっています。その後、この治療に影響を受けた諸先輩方が、それぞれ新しい鍼灸治療スタイルを構築していき、現在に至ります。

写真:刺したほうも寝てます(笑)


経絡の状態から体の状態を判断する。経絡的治療です。まさに東洋医学です。
『改正孔穴』を見てみると、おおおそ当時の治療が病名とツボがイコールになっていたり、痛いところに鍼を刺したり灸を据えていただけのような印象を受け、何をもって東洋医学なのかと疑問に持ってしまいます。

写真:寝そう…。


ってなわけで、経絡の状態を確認して鍼をしているのが本日の写真です。授業さぼって寝ていたわけではないんです(笑)。だから静かに寝てもらいました。鍼を刺すほうもやること無いので、教室がシーンとなっていると眠くなってしまうのよね。
そうそう、経絡の状態は手首の脈で判断します(経絡=脈の意味です)。ちょうど、ムトウさんが自分の左手の脈を確認中です。脈で診察することを脈診(みゃくしん)と言います。

写真:ムトウさん寝てます。


さて、いかがでしたでしょうか(笑)。今日の写真は全て夜間部の2年生です。1ヶ月後には皆?3年生になります。そうすると、いよいよ国家試験を意識し始めますねー。3年生の国家試験の緊張が解けた今日この頃、次は2年生がその緊張感に入っていき、また鍼灸学校の1年間が始まり出します。