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【鍼灸ブログ 大希のつぶやき】 カナダから鍼灸便り その1『NAJOM(北米東洋医学誌)』

2016年05月05日お薦め図書の紹介

はい、カナダに来ている専任教員の高橋大希です。
なにー!カナダ!と思った方、私はアメリカのサンフランシスコでの鍼灸治療セミナーを終えて、その後ゆっくりと遊んで…いるわけではないんですよ。

さて、カナダはビクトリアにきていますが、ここで久しぶりの「お薦め図書の紹介」です。

『NAJOM(北米東洋医学誌)』です。
本雑誌の代表者であり、編集長を務めるのがカナダ在住の日本人鍼灸師の水谷潤治先生。先生と最初のお会いしたのは10年位前のボストンでの鍼灸セミナーです。そして先のブログで紹介したサンフランシスコでの鍼灸セミナーで通訳を務めて下さったスティーブン・ブラウン先生が副編集長をされています。


これが最新号。


この『NAJOM』表紙のタイトルをよーく見ると、日本語(漢字)で『北米東洋医学誌』と記載されています。
北米とは北アメリカの南部諸国を指していて、アメリカとやカナダなどの国をまとめて言う際に用いられます。東洋医学誌はもちろん東洋医学である鍼灸のことを言っており、カナダで発行されている鍼灸雑誌と思っていただくと良いかと思います。この雑誌、北米の鍼灸事情だけでなく、英語圏の鍼灸事情が紹介されたり、何よりも日本鍼灸を取り上げています。日本人の名だたる鍼灸師達の原稿が紹介されています。最近日本で手に入る鍼灸雑誌では読めない記事や、過去に日本の鍼灸雑誌で取り上げられた有名な記事など盛りだくさん。とくにここ20年位の日本の鍼灸雑誌の内容ってなかなか見れないので、すごく貴重。故島田隆司先生や九州は大分の名人首藤傳明先生、本校の講師ですと小川卓良先生や宮川浩也先生、そして日本伝統鍼灸学会会長も務められる形井秀一先生と超豪華。でー、よーく見ると…


はい、きたー(笑)。ってことで私ですね。有名人達のどさくさに紛れています。ね、ブログの更新が遅くなるのもわかるでしょ。遊んでいるわけでないんです(笑)、ってことにしておきましょう。

英語で全て書かれていいますが、この雑誌の凄いところは、全内容が英語と日本語で掲載されているんです。私の説明よりも写真で見た方がいいですね。


で、こっちが日本語。
まったく同じ内容が日本語でも英語でも読めます!素晴らしい!
あっ、英語力のお粗末な私はもちろん日本語で原稿を書いて、それを編集部が英語の翻訳して下さります。ちなみに私の原稿は、アメリカセミナーのブログでもおなじみのブラウン先生が恐れ多くもして下さってます。


雑誌の発行って超大変らしいです。水谷先生も何度辞めようと思ったことかとおっしゃってました。その都度支援してくれる先生のお蔭でここまでこれたとのこと。それが九州は大分の名人、首藤傳明先生。やっぱ、凄い先生は何でも凄いですよ。

実は先に紹介した日本語で書かれたタイトル『北米東洋医学誌』は首藤先生直筆なんです。そういうことを知る先生も少なくなってきたんだなーと感じたことがありました。首藤先生がある学会の会長を務められていたころから私は理事として、部の副部長として末席を汚していました。そんなことからその当時の理事はみんな『NAJOM(北米東洋医学誌)』のことを知っていました。しかし、首藤先生が会長を辞められ5年以上たったある日、理事会で『北米東洋医学誌』って知っていますか、が話題になったんです。雑誌の存在を新たに知った先生が皆の前で紹介したんです。つまり知らない理事が、先生が何人もいたんです。あっ、これは悪口ではないですよ、どんだけいいものでも、伝えていかないと忘れられていくんだという話です。でも正直ショックでしたよ。

『NAJOM(北米東洋医学誌)』を知らない方は是非手に取って見て下さい。とくに若い鍼灸師さんや学生さんは、今ではなかなか見れない過去の貴重な論文も見ることができますので。

ちなみに、年間購読で7200円です。年に3回発行されます。で、1000円高くなりますが『NAJOM(北米東洋医学誌)』の発行を支える気持ちがある人は8200円で会員になって下さい。二日間昼飯我慢するだけで、日本の鍼灸界が、いや世界の鍼灸に良い影響を与えることができますから。鍼灸は伝統なんです。自分のことしか考えていない人のことを鍼灸の神様はちゃんと見てます。先人のこと、これからの人のこと、そして業界のこともみんなで考えていかないと。

あっ、学校の先生でこのブログを読んでくれていたら、自分のところの図書室に『NAJOM(北米東洋医学誌)』が置いてあるか確認して下さい。そして、もし無かったら会員になって定期購読して下さい。お願いします。つーか、みんな会員になって下さい、お願いします。
※『北米東洋医学誌』についてはこちらのHPをご覧ください。定期購読についてはメールして下さーい。
http://www.najom.org/

学校の先生と臨床家 高橋大希