東洋医療総合学科Blog

Hawaiその3

2014年09月28日大希のつぶやき

ハワイに来て3日目。いよいよセミナーの最終日。先の2日間はビギナークラスでしたが、最終日の3日目はアドバンスクラス。ちょっと難しくなります。
 
写真:テーマとして腰の問題を取り上げました。
 
1週間以上学校をお休みして、授業の振替で学生さんや教務のみんなには迷惑をかけたり、患者さんにはまた海外ですか?愚痴を言われたりしながら、こうして日本の鍼灸治療を広ようとしているのは、まー、理由はいろいろありますが、鍼灸大好きだからですね。前回のブログでも言っていますが。
 
写真:何をしているかわかりますか?
 
まー、鍼灸大好きなんてことは学生さんには関係ないかもしれないと思うかもしれませんが、実はそうでもないんですよ。私が海外で得た知識や情報は学生さんにフィードバックされます。もし、あなたが海外で鍼灸治療をやりたいと思ったときに、その経験のある先生とそうでない先生、どちらに相談しますか。
 
写真:デッサン?
 
これは、海外のことに限らず。
学生さん、とくに進路を気にし出した3年生の何人かから毎年同じ質問を受けます。
『どの治療法が一番よいですか?』と。そして、こう答えます。『どの治療法でもいいよ』と。ただし、このどの治療法というのには、条件があります。一つは何があっても好きで続けれられること。これは、治療法の内容のみでなく、例えば教えてくれる先生とか、その歴史とかでもいいのです。そして、もう一つ。教えてくれる先生自体が、その治療法で実際に生活できていること。つまり、患者さんの治療をしていること、お金を稼いでいること。
 
写真:アメリカ人講師のティーシャ・マロン氏が指揮を取る。みんなで実技の練習。
 
この治療法があの国で有名!とか、先生は実際に治療していないとか、病院ではやられているけど個人ではやってないとか、学校の中だけとか、そういう治療法はダメです。鍼灸治療というのは、その歴史的な背景から、医術としての知識と技術以外に思想が付いてきます。しかし、この思想がやっかいで、思いはすごくても、実際に個人でやってないことを、個人に伝えることはできません。環境を同じにしないことには、実際に評価できません。まー、日本にはそんな治療法はほとんどないから、心配しなくても良いですが。
 
1ベット~2ベットに日本人講師が1人指導に付きます!贅沢(笑)
 
今回のセミナー中にこんなことがありました。
腹診と言ってお腹を触る診察方法があります。この腹診は、胸に近いところや、恥骨という下腹部の骨まで触ることもあり、知らない人や異性に触られると正直びっくりしてしまいます。一歩間違えればセクハラ問題にもなりかねない。アメリカという国は裁判と訴訟の国です。事前の説明をしっかりとして、納得した上で診察をしないと大問題です。アメリカ人講師がこの辺を心配して、下腹部を触る際には、直接素手で触れずに、下着などの上から触って下さいと注意がありました。まー、受講生もどんな人がいるかわかりませんからね。でも、これって最終的には人間関係、治療者と患者との信頼関係によります。そこには数々のコミュニケーションが関係してきます。下腹部を触ることが問題なのではなく、嫌がられたり、不快に思われるような関係性にこそ問題が生じます。
 
結局は人対人ですよ。
 
写真:集合写真。毎度のことながら段取り悪くて撮影前に帰ってしまう人がチラホラ…(-_-;)。写ってない人ゴメンナサイ!
 
治療法も人と人との関係がとても大事。だから、鍼灸治療というのは長い間、徒弟制度だったんですよ。教える側にも教わる側にも覚悟がいるんです。教わりたいからって誰にでも教えて良いものでもないですし、お金を払えば教えてもらえるものでもないのです。上の集合写真、最前列の作務衣を着た日本人が今回のセミナーの講師達です。みんな、治療院や学校の仕事を休んで、指導しに来ました。報酬があるわけでもないんです。人と人との繋がりでやっているのです。アメリカで11回目となる今回のセミナー。ハワイを会場としての開催は2回目。既に次回のセミナー準備は始まっています。
 
写真:ホテルからの夕日。雲が多くて沈むところが撮れなかったよ。
 
さーて、このブログを書いている只今の時刻は夜の12時を過ぎたところです。6時間後にはホテルの前に迎えのシャトルバスが来ます。日本に帰りますかー。
 
セミナー終わった後は、前回のハワイから2年ぶりに海に入ってプールでぷかぷかしてました。
ハ、ハワイだからって浮かれてないぞ!っていうか、少しくらいはいいだろ(笑)