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天津留学通信

【鍼灸マッサージ師】天津留学通信50 ~学校周辺の様子と臨床実習での嬉しい変化~

2016年04月04日

日本は桜が満開の季節でしょうか。こちら天津はようやく極寒だった冬が終わり、昼間は比較的暖かい日々が続いています。今年の冬は最高気温ですら氷点下の日々が続き、風が強かった1月のある日は、体感温度マイナス20度以下を記録したことがありました。日本にもこれ以上寒い地域はもちろんあると思いますが、やはり大陸の寒さは少し質が違うように思います。天津に10年以上暮らしている日本人の方も、こんなに寒い冬は経験したことが無い、と仰っていたので、本当に今年の冬は寒かったのだと思います。

2016年3月の天津、学校の様子をお届けします。

<学校の様子>
我々の報告では、学校内の建物の様子をあまりお伝えしておりませんでしたので、ご紹介したいと思います。

研修を受けている病院外観
我々が毎日研修を受けさせていただいている病院です。衛生学園の研修旅行でも、こちらの建物で研修を受けたと思います。この日は飛行機雲が見える程、良い天気でした。

病院と寮の外観
1枚目の病院の左隣にある白の建物が、我々が住んでいる寮です。敷地は病院と繋がっていないので、病院に行くには少し遠回りをしなければなりませんが、それでも自分の部屋を出てから10分とかからず病院に行くことができます。

寮の外観
寮を先ほどとは違う角度から撮影したものです。寮は16階建てで、1、2階にはレストランと寮の事務所があります。3階から16階までが寮として使われています。また、最上階は短期見学者のための宿舎としても使われているようです。因みに、1階部分のレストランは、研修旅行の天津最終日に昼食をとる場所でもあるので、覚えている方もいらっしゃるかも知れません。

寮と国際教育学院の外観
3枚目の写真から少し離れて撮ったものです。寮の左隣に映っている建物が、1年目に我々が語学研修を受けた、国際教育学院の建物です。


学校周辺外観1

学校周辺外観2

学校周辺外観3

樹木の効能

先ほど写真を撮った場所から、ぐるりと反対側を向いて歩いてゆくとこのような風景になります。学生さんが授業を受ける建物や、食堂などがあります。樹木の説明に効能の記載もあり、さすが中医学の本場、といった感じです。

学校正門

付属保康医院
寮の側にも門があるのですが、正門は4枚目の写真の道をまっすぐ行った先にあります。また、正門の近くには、付属の保康医院という施設があり、天津中医薬大学の学長先生や、郭義先生などの診療室があります。日本人の先生もこちらでご活躍されています。

本屋さん
また、正門の近くには、医学書を専門に扱う本屋さんもあります。中医学の書籍はもちろん、西洋医学書や語学書(中国語で書かれた英語学習の書籍など)を取り扱っています。雑然と山積みされた中から、目当ての本を探すのは宝さがしのようで、とても面白いです。


<臨床実習>
付梅医師のもとで実習をさせていただき、約半年が経過しました。
日々の病院生活にも大分慣れてきたのですが、白衣を着ているので、私のことを大夫(=医師)と呼ぶ患者さんもいらっしゃるのですが、それには全く慣れず、とても恐れ多い気がしています。

以前と変わらず刺鍼もさせていただいています。先生が忙しいときや、毎日来ていて慣れている患者さんなどには、経穴名ではなく、「大腿と下腿、肘に打っておきなさい」というように部位だけで指示を受けることも増えてきました。また、鍼の角度について、この方向に打ちなさいと指示を受けることや、この患者さんは鍼感が軽くていい、この患者さんは鍼感が必要、などより細かい指示を受けることもあります。これはそもそも、刺入時に、切皮痛なく、きちんとした直刺が出来なければ要求すら受けないことなので、このような現場で求められる、当たり前のことを当たり前にできる技術力を身に付けさせてくださった、衛生学園の授業には改めて感謝しています。

これは中国だけでなく、どの現場でもそうだと思いますが、直刺だけでも、ベッドと患者さんの位置関係や、そもそも麻痺しており思いもよらぬ体勢になっているなど、学校で習った基本的な刺鍼時の姿勢をとれない事の方が多いのですが、基本的な姿勢が崩れてしまっても、基本的な姿勢をとった時と同じように刺鍼できるのも、偏に基礎力があるからだと思っています。
この、当たり前のことを、当たり前にできる基礎力があるからこそ、我々は、得気の感覚とはどのようなものか、について教えていただくことができ、その独特な感覚についても、もちろん免許皆伝、というには程遠いですが、少しずつ同じ感覚として理解できるようになってきました。

さて、以前、上柿さんの報告で、患者さんが受ける鍼感には10種類あるという説明がありましたが、この10種類の中で、鍼灸師はどの鍼感を患者さんに与えることが大事なのか、一番良い鍼感はどれなのか、質問してみたところ、それは患者さんにもよるし、どれも正解であるという答えでした。一見すごく当たり前の答えのような気もしますが、私がなぜこのような質問をしたかというと、10種類の中には、疼(=痛み)というものもあり、これはきっと一番良くない鍼感なのだろう、つまり、これらには良い感覚から悪い感覚という順序があるのだろう、という思いがあったからです。そのように質問の背景まで説明すると、先生は、例えば麻痺で、鍼を打っても全く何も感じなかった患者さんに、ある時「痛み」という感覚が発生したとすれば、それはよい兆候である、というお話をしていただきました。当然のような気もしますが、痛み=悪い感覚、と思っていたので、患者さんと病気によっては、それが必要な場合もある、とてもよい学びになりました。

診療室には研修で、中国の他の地域から来られた先生や、天津中医薬大学の学生さんが来ることもあるのですが、抜鍼は彼らではなく、日本人の我々に頼む患者さんも多くいらっしゃいます。主に顔面神経麻痺の患者さんに頼まれることが多いのですが、理由を聞いてみると、我々の方が丁寧で、痛くないからだそうです。最初の頃は、別の中国人を呼んでこい、と言われたこともあったのですが、こちらについてはとても嬉しい変化を感じています。
先日、改めて数えてみたのですが、顔面神経麻痺の患者さんは、主に顔に合計40本近い鍼を打たれています。これは雑に抜かれては、痛みを感じるのも当然です。因みに、この40本近くを、先日計測したところ、先生は2分半程で打っていきます。これはどの先生も同じ技術レベルなので、研修の際は、このあたりも是非見ていただきたいところです。

さらに別の学習として、先生から初診の患者さんのCT画像などを見て、どこが悪いと思うか、あなた方なりの考えをいいなさい、と言われる事が増えてきました。このように学習内容はレベルアップしているのですが、残念ながら我々は、きちんとした画像診断の知識を持っていないため、日本との違いで、多少苦労する部分ではあるのですが、正常な画像と見比べるなどしながら、日々学習を進めています。

最後になりましたが、今月は日本の鍼灸師の先生が研修に来られました。どの先生方もとても熱心に取穴理由や病気の治療法などについて質問されており、我々もとても刺激になりました。私は本が好きで、当然、紀伊国屋などの大きな書店では、鍼灸関連のコーナーに立ち寄ることも多いため、日本人の先生方の御一人を拝見し、あっ!と思ったのですが、やはりお名前を伺ってみると、衛生学園と天津留学の大先輩、「日本人が書いた中医鍼灸実践マニュアル」の著者で、はりきゅうマッサージすこやかな森院長の若杉寛先生でした。大ベテランで書籍も執筆されている先生も、何か新しいことがないかと研修に来られる中医学の中心地で、これだけ長期に渡り研修が出来る有難さを感じました。
中後政則
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