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天津留学通信

【鍼灸マッサージ師】天津留学通信59-2 ~語学学習・北京の老人ホーム~

2017年04月05日

<語学学習>
さてさて語学学習の内容ですが、依然としてHSK5級の模試をやりながらの進行です。私の一番苦手としているリスニングの点数も回数を重ねるごとに不正解の数も減っていますので語学学習については難なくといったところでしょうか。ベトナム人のクラスに行けなくなったので中国人の本科生のクラスに行ってきました。

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相変わらず本科生の学生たちは皆真面目で、昼食後のとてつもなく眠い時間にも関わらず真剣に講義を受けています。中国には昼寝をする習慣があり、昼休みの1時間強の間の時間に食事を済ませ昼寝をします。中国人の学生が日本に留学した際に昼寝の習慣が無くとても辛いという話をよく耳にするのはこの事からです。ただ食事後すぐに寝るのは身体的にどうなのかと、中国論文サイトには多くこの研究が掲載されていましたが、それでも習慣というのは変えられないものです。

<北京の老人ホーム>
以前のブログ内容で北京に舞浜クラブ(後藤学園とも関わりがある介護老人ホーム)の理念やケアプランを中国で実現させた施設があるとご紹介しましたが、早速韓景献先生にアポを取って頂き見学させて頂く機会を得ました。場所は北京郊外の静かな場所にひっそりと建っており、天津駅から2時間ほど、電車と車に揺られ到着、この場所に本当にそんな施設があるのかと…

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どーん!到着しました。この老人ホーム、外見からしても他の施設とは決定的に一線を画しています、というよりこのような老人ホームを中国国内で見た事がありません。
そしてこの施設長であり経営者でもある金恩京さんにご挨拶をする事ができました。経営者の金さんは老年病研究会の会長である川並教授の教え子であり、数年間医療に携わった後、アメリカのハーバード大を卒業するという素晴らしい経歴の持ち主です。日本でのGold-QPD(認知症をケアする鍼灸師の養成講座)にも大きく関わっています。
早速中に入って施設を見学させて頂きました。所々まだ建設中で、現在の入居者は多くありません。入り口に入ってすぐ目に付くのは開放的な空間と光を大きく取り入れた間取りの数々です。

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来客の応接から利用者のワークスペースとして、多種多様な方法で使われている場所です。

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もちろん来客用のプライベートスペースも多々設置しており、こちらのスペース、木で作られて周りには障子が貼られており日本風の優しい雰囲気を醸し出しています。

ここの施設には全くと言っていいほど段差が無く、一番に利用者の事を考えています。正直言って中国にはバリアフリーと言える施設は数少なく、病院ですらこのような設備を整えている場所はそう多くないです。かくして入り口から圧倒された自分はこの施設のメインであるそれぞれの部屋に行きました。

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圧倒的開放感と便利さを兼ね備えた部屋です。床一面木造りで、トイレの扉に至るまで全てバリアフリーに設計されております。因みにこちらの施設、椅子からベッドから壁紙に至るまで全て日本の物を使用しています。何故このような設計にしたのかをお伺いしたところ、コンクリートむき出しの部屋では誰も落ち着かない。なるべく日本の昔ながらの一軒家を連想させるような、優しく落ち着けるデザインを目指した。とのことです。これを再現するのにどれ程の手間がかかったのか、考えるだけで脳みそが溶け出しそうです。ベッドも電動のリクライニングとなっています。
施設内の部屋は全て個室となっており、プライバシーを尊重した造りになっています。

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廊下の壁には至るところにこのような模様の違う壁紙が貼り付けてあります。こちらも利用者さんのための一工夫であり、認知症の方が今どこにいるかを区別できるよう場所によって壁紙を違う素材にしているそうです。これは各部屋も同じで、認知症を患っている方でも感覚的に理解しやすくするための工夫だそうです。

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この日活動は餃子を作る日でした、せっかくなので僕も利用者さんと一緒に餃子作り…最後は思う存分餃子をご馳走になりました。こちらの利用者さんは日本語を喋れる方々がとても多く、日本で働いたことのある方や、5ヶ国語を話す事ができる方、大学の教授を務められていた方など、現役時代はバリバリ働いていた方々がこちらの施設をご利用されているようです。金さんいわく仕事でご活躍されていたからこそ大変なこともあり、歳をとっても自尊心は皆現役時代と同じくらい持っている。それを尊重する事がとても難しい、とおっしゃっていました。

後藤学園でもお世話になっている介護老人ホーム「舞浜クラブ」でおなじみの音楽療法です。
食事も徹底的に管理されており、舞浜クラブ同様素晴らしくクオリティの高いものになっています。
こちらの施設はまだ完成しておらず、所々建設途中です。同じ敷地内に保育施設も近く建設予定で、ご年配の方々と子供たちが交流すれば更に高い効果を生む事ができる、更にこの場所一帯の敷地は2年以内に広大な公園になるそうで、更に良い環境が整うと仰っていました。

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現在中国では認知症の患者のケアをするシステムが完全には整っておらず、国のトップレベルの病院でさえ認知症を患った患者に対して西洋医学なり中医なり治療を受けさせ薬を処方するだけ、といったような状態である、これでは高齢者ケアとは言い難い。と金さんは中国の現状を危惧していました。老人ケアに新しい風を吹かせたい、お金があっても認知症になったらどうして良いか分からない。そんな多くの人に対して自分が何かできる事はないか、自分自身の経験からそう語る金さんの目からはとても力強いものを感じました。そしてここでも日本の老人ケアを褒めていました。リハビリ技術しかり行政一体型のケアシステムを構築する動きを中国も参考にしてもっと動くべきあると。そんな話を金さんと話していたら気づいたら日が暮れていました(笑)
私が中国に来た目的の一つである中医学における老年病ケアの実態を知る、そういう意味ではまた一つ知識が増えました。海外も見て、かつ自国の老人ケアについて常に考察と研究をしている方とこうして意見を交わせた事は、これからの留学生活を送る上でまた大きな一歩を踏み出せたと実感しております。

残りあと1年と数ヶ月、本当に時間が足りません。

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田中悠理






 
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