東洋医療総合学科Blog

やっててよかった…

2013年09月03日授業の様子

長野式!
 
タイトルを確認していない人の爲にもう一回。『やっててよかった長野式!』です。
 
写真:村上先生のデモンストレーション。
 
長野式とは九州の名人、故長野潔(ながの きよし)先生が作り上げた鍼灸の治療法です。長野先生は患者さんの手首の脈を診ることで、薬を服用しているか否か、妊娠しているかどうか、身体のどこが問題なのかを次々とあてて、多くの患者さんを治療していた先生です。難病と呼ばれる症状も鍼灸で改善させており、その治療を見た人達からは、その伝説のような話を耳にします。
 
そんな九州の田舎で開業していた長野先生の治療法を世界中に知らせた先生がいます。アメリカのボストンで開業している松本岐子先生です。松本先生は長野先生がやられていた脈診から得られる情報(どんな病気か、どのツボを使えばよいか)をわかりやすい体の反応(押すと痛いなど)に置き換えることで、長野先生のような素晴らしい治療効果を、多くの鍼灸師が再現できるようにしたのです。アマリカのハーバード大学では、松本先生が長野式とご自身の経験を指導していらっしゃいます。
 
写真:長野先生と松本先生の著書。この本はすごいよ。やばい。今度ブログで単独で紹介します!
 
そんな、二人を師匠と呼ぶ村上裕彦先生が、今年も本校の3年生の実技指導のお手伝いに来て下さっています。今週からの5週間、3年生のとっては特別な授業となるでしょう。しかも今年は、本校の卒業生である、嶋津智裕先生と石井弦先生も、村上先生の助手として本校の授業のお手伝いに。母校の後輩の爲に忙しい中来てくれています。ってなわけで超豪華な授業を行っています。
 
写真:村上先生を後ろから。魂の込められたTシャツの文字を見なさい!
 
昔話を少しだけすると、嶋津君(私は普段このように呼んでますので)は、なんと波田先生のクラスメイト、西村先生と同じ学年で、村上先生が本校で初めて授業のお手伝いをして下さった年の卒業生なんです。村上先生の授業に感動し、それまでの目標だった仕事を辞めて、心機一転、治療院の院長として卒業後から長野式で多くの患者さんの治療にあたってきました。すっかりベテランの治療家です。
 
写真:嶋津君が指導中。ツボの位置が少しズレるだけで効果は大きく違ってくる。
 
(ゲンはゲンだな…。石井の苗字で呼んだこともない 笑)は、数年前の本校の卒業生。同じく村上先生に影響を受けて、村上先生が関係している病院で鍼灸治療をし、村上先生を師と仰ぎ、先生のお手伝いをしながら、自身の治療院をやっています。ゲンは東洋医療総合学科が1クラス60名だったときの卒業生。いっしょに中国行ったりバカなことをしましたが、まさかこうして臨床の話いっしょにできるようになるとは…。卒業生の成長や活躍ほど嬉しいことはないね。教員として。
 
写真:腹部の反応を説明中のゲン。
 
村上先生が、今回の授業でこんな事を言っていました。
長野先生は天才。
そして、その長野先生の天才を世に知らせた松本先生は鬼才。
自分は非才と。
 
笑顔で語り、学生さんの笑いもとりながら展開していく村上先生の指導は今年でなんと11年目。私も学校で鍼灸を教える仕事をしているのでよくわかりますが、誰に教わったか、誰が教えたかで、教育の浸透度は違ってくると思います。知識があって技術が上手い先生が良い先生かと言えば、必ずしもそうではないです。伝えたい事を伝えれる、そんな雰囲気を自然に作り出す、学生さんが好きで教えるのが好きな、教育という分野の俊才である村上先生が指導してくるれから、長野式はここまで根付いたと私は思っています。先生の影響でこれだけ国内に長野式を勉強する人達が増え、本校の卒業生もお世話になり、嶋津君や弦のようにお手伝いに来てくれるようになったんですから。
 
天才が作った治療法を、鬼才が世に知らしめ、俊才が育てている長野式。
 
そうそう、こんな授業が受けれる鍼灸学校はなかなかないよ。
 
写真:このスリーショットはなかなかないよ。