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【看護 二年課程】応用力を身に付ける!「多重課題」

2014年05月20日看護

准看護師から看護師をめざす、看護学科全日制の2年生が「多重課題」に取り組みました。
この授業では、臨床の現場で起こる様々な出来事を題材として、その題材が重なったシナリオを実体験し、多重課題が起きた時の対処方法を学ぶことを目的としています。

事前に細かな患者情報が書かれている用紙が渡され、予め患者の疾患について調べておきます。
学生さんは「看護師」「患者」「観察者」に役を割り振られます。
「看護師」は訪室の目的だけ聞かされます。
「患者」はシナリオを渡され、シナリオ通りの行動をとります。
「観察者」はその様子を観察し、客観的な視点での記録を取ります。

いよいよ演習がスタート!
実際に授業で行ったシナリオを紹介します。

【設定】
・患者A:右大腿骨転子部骨折、慢性腎不全
・患者B:誤嚥性肺炎、脳梗塞後遺症(右麻痺)、高血圧、認知症
★訪室目的:Aさんの透析搬送目的

【シナリオ】
Aさんを迎えに行くと、Bさんはベッドの上で端座位になって、今にも歩き出しそうな様子である。

【模範解答】
透析スケジュールに影響を与えてしまうため、時間通りにAさんを透析室へ搬送しなければならないが、このままでは、Bさんは単独での歩行から転倒の可能性がある。Bさんの安全を優先し、ベッドに寝かせて安全を確保する。その間Aは待たされる状況になるので、Aさんに対する声掛けも忘れない。

授業では・・・
Aさんの透析搬送準備に気を取られている間に、Bさんが転倒してしまい、はっとする学生さん。
客観的に見れば冷静に対処できることも、いざ実践となると頭がまわらなくなってしまうことも。
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演習後のデブリーフィングでは、自分の看護師としての行動がどうだったのか振り返ります。
患者役だった学生さんは、患者の気持ちになって意見を伝え、観察者だった学生さんは、客観的な意見を伝えて、グループでディスカッションを行います。
「この授業では、間違えることが勉強です」と高橋先生。焦った時や忙しい時に、自分がどんな状況に陥るのか、どんなことに注意しなければならないかなど、自分の傾向をつかみ、課題を見出す大きなキッカケとなります。

今月から2年生は、約7ヵ月間に渡る臨地実習に取り組んでいます。
この期間は、学校ではなく病院をはじめとした各医療施設に通い、患者さんに看護を行います。
臨床の現場ではいつ何が起こるかわかりません。この授業で得た気づきや学びを実習に活かしていきましょうね。