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【東洋ブログ 大希のつぶやき】MK式美容鍼 鍉鍼(ていしん)
2025年08月26日授業の様子
治療に力を入れており、美容に全く力を入れていない東京衛生学園専門学校の授業。しかし、全く「知らない」のは問題であり、いつも言っている通り、できるけどやらないのと、できないのは違うので、3年生の授業でしっかり学んでいただきます。うちの教員の河村 美穂先生は、長年美容分野で仕事をしており、現在も学校とサロンの両方で仕事をしており、サロンのほうで美容鍼灸の施術をしております。

そんな河村先生に自身が普段用いているテクニックを毎年惜しげもなく披露していただいております。河村先生のMK式美容鍼灸において用いる鍼は、通常の刺す鍼(毫鍼)と刺さない鍼の「鍉鍼(ていしん)」による方法があります。そこで、まずは「刺さない鍼」である「鍉鍼」による施術の紹介。鍉鍼による施術は、美容鍼に興味があるけれど、「鍼が怖い」という人にも導入しやすいテクニックになっています。

河村先生が鍉鍼の使い方を説明中。

2000年前の中国で書かれた『霊枢(れいすう)』九針十二原篇には、当時使われていた9種類の鍼(九鍼)が紹介されています。この9種類はさらに3つに分類されるのですが、1つが「刺す」鍼。2つ目が「破る」鍼、そして3つ目が「刺さない」鍼です。この「刺さない」鍼に該当するのが鍉鍼(ていしん)です。
暫くの間、鍼は刺すのが当たり前だったのか、歴史上でも日の目を見なかった「鍉鍼」ですが、日本では昭和12年に某誌において柳谷素霊先生によって紹介されています。その後、鍉鍼を現代の日本の臨床での場で蘇らせたのが、井上恵理先生と本間祥白先生のお二人です。昭和27年に某誌に本間先生が鍉鍼の論文を発表し、井上先生との共同研究で鍉鍼を考案創製しました。本来の名称は、「古研式」鍉鍼と言いますが、現在は「てい鍼(バネ式)」として販売されています。↓写真の医道の日本社製がそれに該当します。

類似製品としてカナケンからも「てい鍼」が発売されています。
両方とも現在手に入る多くの鍉鍼と違い、写真の鍉鍼は手持ち部分の中にバネ(スプリング)が入っており、尖端の細い部分が、押すと縮む(引っ込む)ようにできています。
写真:「てい鍼(バネ式)」(医道の日本社製)を分解したところ。スプリングが確認できるでしょ。

MK式美容鍼では、カナケン製の「てい鍼」を使用しています。

写真の3か所を使用します。今回紹介している「てい鍼」は、鍼尖以外に、鍼柄上端部分が、圓鍼というこれも刺さない鍼になっています。鍉鍼がツボを刺激するのに対して、圓鍼は面に対しての刺激になります。圧する以外に、擦ることもできます。ちなみに、カナケン製は、医道の日本社製に比べて鍼柄が長く、鍼柄が凹凸がはっきりしているので、鍼体でも刺激が与えられます。この使い方は、MK式美容鍼独自の方法と言えるでしょう。
写真:顔面部の重要なツボは圓鍼部分で圧を加えたり、擦ったりします。恐らく、多くの方々が鍼尖でやるものだと思っていると思いますが、違うんですねー。MK式美容鍼奥ふかし。

写真:鍼体を持って、鍼柄で刺激します。スプリング式の構造ゆえ、鍼柄がローラー鍼と同じように回転します。ローラー鍼よりも長い為、フェイスラインから顎下、首へと施術ができます。

こちらの写真では何をやっいているか分かりますか。こちらのテクニックはノーヒントで(笑)

はい、ってことでやってみましょう。

やってみましょー

効果をすぐに実感できます。恐るべし!もちもちー

も、もちもちー(笑)

片側だけ施術して左右で比較すると、その効果がとてもよく分かります。みんな楽しそう。

刺さない鍼(鍉鍼)でも、十分に効果が実感できますが、当然、鍼は刺すことでもまた違った効果を出すことができます。ということで、次回につづくのだ。お楽しみにー。