東洋医療総合学科Blog

【はりきゅうマッサージ治療室だより】「衛気と免疫力」

2023年12月25日はりきゅうマッサージ治療室だより

「衛気と免疫力」

冬至を過ぎ、いよいよ今年も残すところあと僅かとなりました。過ごしやすい秋の季節が短く、あっという間に冬になった感がありましたが、その後また暖かい日もあり、日ごとの気温の変化が激しい年末となりました。皆さん体調はいかがですか。

さて、最近「免疫ケア」や「免疫力アップ」など、免疫に関わる言葉が頻繁に耳目に触れるようになりました。免疫とは、私たちの身体の中に細菌やウィルスなどの異物が入ってくるのを防いだり、異物が入ってしまったときにそれを排除したりして、身体を防御するシステムのことを意味します。





東洋医学の考え方では、身体の防御に「気」が関係します。人体には多くの気が存在するとされ、そのうちの一つに「衛気(えき)」があります。全身にくまなく分布し、体表面を覆い外敵の侵襲に抵抗して身体を保護する作用の他、臓腑をはじめ全身を温める作用、発汗機能を調節して体温を一定に保つ作用があるとされています。

このように、衛気は免疫に置き換えて考えることができます。衛気が充実していると、体表から外敵が入ってくることを防ぐことができますし、体内に侵襲した場合でも、対抗力により排除されることが期待できます。さらに、免疫を維持するために必要となる体温の維持にも力を発揮します。また衛気は「後天の気」即ち、飲食物から得られるとされています。従って、飲食物を取り入れるための臓腑の働きを良くすることも重要となります。

元来、東洋医学では、自然治癒力、自己免疫力を高めることに重きを置きます。衛気を充実させる=免疫力を高めるには、バランスの良い食事とともに、消化器官の働きを良くすることが必要だと言い換えられるかと思います。解剖・生理学的にも、腸には免疫器官があり免疫細胞が多く集まっているので、消化器官の機能の調整が免疫力アップに繋がることが想像できますよね。


       

気温が低く乾燥しがちな冬は、身体に外敵が侵襲しやすい季節といえます。日本の新年度が4月開始ということから、学校や会社の入試、資格試験等、人生の岐路を左右するイベントが多い季節でもあります。年末年始に追い込みの時期を迎える方々もいらっしゃるかと思いますが、衛気を充実、免疫力を維持・向上させて臨んで下さい。そうでない方も、冬のあいだ健康を維持できるよう、暴飲暴食はなるべく控えて、胃腸を労わって下さいね。そして、質の高い睡眠で身体を休ませることも必要です。

鍼灸治療には免疫力を調整させる効果もあります。体調がすぐれないなと感じたら、症状が発症・悪化する前に、早めに鍼灸治療を試してみて下さい。

2023年もはりきゅうマッサージ治療室をご利用いただきありがとうございました。
お身体にはくれぐれも気を付けて、良い年末年始をお過ごし下さい。(KA)



  

       (江戸グラン)                           (京橋スクエア)