天津通信

【鍼灸マッサージ師】天津留学通信25 ~桜咲く~

2014年05月10日

天津留学中、金崎さんからのメッセージです。



<天津の気温と冷房>
金崎140507-14月も終わりに近づき、ここ天津は日中の気温が20度以上あり、半袖で過ごしています。病院内の針灸科は、午前中多くの患者さんの熱気で余計に暑く感じ、汗をぬぐいながら研修を受けています。
病院や寮の部屋の冷房がつくようになるのは、毎年6月中旬の決められた日からになります。よってそれまでどんなに暑くても冷房を使用できず、扇風機でしのぐことになります。天津市内のホテルも同様だと、日本人駐在員の方がおっしゃっていました。

<現在の病院研修状況>
3月中は病院内の廊下や針灸科の部屋から日本語を話す声が聞こえ、名古屋市から研修に来られた針灸学校の学生や東京都内の大学の看護科の先生方と遭遇しま した。病院内で日本人の方とお会いすると、ちょっと嬉しくなります。遠先生の治療室での研修も5カ月が過ぎ、全体的に慣れてきた感じがあります。先生の治 療室は毎日約80名の脳血管障害を中心に、耳鳴、不眠、免疫性疾患等多くの患者様が来られています。

金崎140507-2珍しい疾患では、11歳の男子学生で日中の授業中に突然眠気が襲い、寝てしまう中国病名「発作性睡病」や5歳の男の子の「顔面神経麻痺」が印象に残ってます。おばあちゃんにつれて来られ、刺針の際体をのけぞりながら、顔に20本以上の針をうけている光景は、今でも覚えています。針治療は社会人で保険を利用し一回20元くらい(日本円で約340円)。学生、高齢者等は自費治療で一回40元くらい(680円)です。先生の治療室では、95%以上は針治療のみで行っており、たまに吸玉治療を患者さんの希望により行っています。

患者さんの中には中医学を独学で勉強している方もおられ、先生に運動針を希望したり、刺針中に「○○と△△の穴にも針を刺して下さい」と言う患者さんもおられたりします。一般的に中国人の患者さんは、自分の病状について隠さず色々と教えてくれます。先生も針を刺しながら、患者さんの状態を説明したり、学生らに質問をします。全体的にオープンな雰囲気の中で治療がなされており、この辺は日本の病院や針灸院とは違う部分だと思います。

<研修中の学生の仕事内容>
抜針:第1附属病院の針灸科では、約30分間置鍼します。当病院では脳血管障害や顔面神経麻痺の患者様が多いので、顔面部の刺針の本数が多いです。よって患者さんに痛み及び出血させないように、綿花で圧迫しながら素早く抜針する技術が必要となります。また患者さんとの交流をうまく図る為にも、上手に抜針することが必要となります。患者さんの中には抜針してもらう学生を指名される方もおられます

刺針後タオルを掛ける:刺針後患者様にタオルをかけることも大事な仕事の一つです。タオルを掛ける際、針で痛みが生じないように、静かにそして身体を保温できるようにうまく掛けることが必要となります。

患者さんをベッドに案内したり、チケットを渡す:廊下で待っている患者さんの名前を呼び、ベッドまで案内します。中国語の発音が問題となります。またチケットに書かれた患者さんの字が読めない時は、廊下で待っている別の患者さんに読み方を聞いたり、代わりに呼んでもらったりします。この瞬間がけっこう緊張します。しかし何とかなるものです

<天津市内の日本建築物>
一番目の写真は、中医薬大学から徒歩30分、天津市内の繁華街「滨江道 bin jiangdao」の手前に位置した場所に建つ日本人建築物です。1941年に建築され、建築面積2200平方米2階建ての優雅で格調高い伝統的デザインの建物と紹介されています。当時は日本軍と在留邦人の身体を鍛える場所で、柔道、剣道、ボクシング等の練習が行われていました。現在は天津医科大学总医院教育センター及び図書館になっており、天津市歴史建築物として特殊保護指定にされてます。

<今年も綺麗に咲いた桜>
二番目の写真は、東京衛生学園と天津中医薬大学姉妹校締結記念に植樹された桜の花です。春の訪れを感じさせてくれる、綺麗な桜でした。

金崎さんも桜と同様に、大きな花を咲かせていただけると思います。