トップページ VOICE 卒業生インタビュー:理学療法士として活躍する千葉先生

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リハビリテーション学科卒業・千葉さん

患者様と二人三脚で行うリハビリテーション。
理学療法士は、患者様に最も近い存在の医療職です。

理学療法士

千葉 哲也 さん

リハビリテーション学科 1984年卒業(3期生)
玉川病院 医療技術部リハビリテーション科 科長

  • 卒業生

開学当初から変わらずにある「実践重視」の教育

私が入学した当時の東京衛生は、まだ開学したばかりでした。
施設やカリキュラムは現在ほど整っていなかったと記憶していますが、ずっと変わらないこともあります。

それは実践的な学びです。
私がセラピストをめざしたのは、奨学金をもらいながら通えるからというとても消極的な理由からでした。
当初は、リハビリテーションがどういうものかも理解していませんでしたが、
学校説明会で「身体に問題を抱えている人たちを支えられる仕事」という話を聞いて、強く興味を惹かれたことは確かです。

当時の私は勉強が好きではなかったのですが、その意識が大きく変わったきっかけは実習でした。
実際の患者さまと触れ合い、授業で身に付けたさまざまなスキルを使ううちに、
それまで個別にインプットしていた知識が少しずつ繋がっていく感覚がとても面白かったのです。
その体験を契機に、理学療法士という仕事の奥深さに魅了されていきました。

小さな施設と大きな病院、それぞれで学べたこと

卒業後は、山梨県にある小さな施設で働きました。
理学療法士として働いているのは私だけで、数人の他業種のスタッフとともに患者さまの支援をしていました。
そこでは、なにかを他の人に伝えることの大変さを知り、どうすれば上手く伝えられるかを研究し、まとめていきました。

3年ほど経過した頃、友人から「他の理学療法士とも働いたほうがいい」とアドバイスを受けて、勤務先を変えることにしました。
いくつか試験を受けたうちのひとつが、現在の勤務先です。

この病院には尊敬できる理学療法士やドクターがたくさんいらっしゃいました。
以前は何をするにも手探りでやっていましたが、ここではロールモデルの方々から学びながら、成長していくことができたと思っています。

患者さまの人生に寄り添い、可能性を拡げられる喜び

この病院には、通算33年間勤めています。
現在は患者さまのリハビリを担当するほかにも、後続の育成にも注力しています。
理学療法士という仕事を続けてこられた理由としては、やはり患者さまの存在がとても大きいです。
ミスをして落ち込んだり、どれだけ嫌なことがあったりしても、
患者さまの顔を思い浮かべると「私が支えなければいけない」と思えるんですよね。

どんな仕事も世の中に貢献しているはずですが、理学療法士ほど直接的に、誰かを励ましながら、力を合わせながら目標に向かって走っていける仕事は他にはないと私は思っています。
患者さまも、苦楽を共にした仲間のように感じてくださるようで、退院後に真っ先に駆け寄ってきてくださいます。
理学療法士は、誰かの人生に飛び込んで、努力を重ねて、新しい世界を拓いていける可能性がある職業なのです。

「リハビリテーションとは何か」を常に考えてほしい

歩けない人を歩かせたり、座れない人を座らせたりするだけなら、ヘルパーさんや家族でもできるかもしれません。
理学療法士がすべきことは、「どうして歩けないのか」「なぜ座れないのか」を考え、
できるように改善するリハビリテーションを提案すること。
ですから、自分で考えていくことがとても大切です。

学校や勤務先では、目上の人からの指示を受けることが多々あると思います。
それをそのまま鵜呑みにするのではなくて、その内容を自分なり咀嚼し、最善の方法なのかをきちんと考えて欲しいです。
「これをやらなければいけない」という枠にはまらずに、自分なりの考えを提示していくことができれば、
理学療法士という仕事の可能性はさらに広がっていくはずです。
これからめざしていく学生のみなさんも、さまざまな知識や考え方を吸収してほしいです。