東洋医療総合学科Blog

【はりきゅうマッサージ治療室だより】春眠暁を覚えず

2023年04月15日はりきゅうマッサージ治療室だより

はりきゅうマッサージ治療室室長の渡辺です。治療室だよりのページをいつもご覧いただき、ありがとうございます。
今年度から、私以外に治療に携わるスタッフや研修生からも記事を発信していきます。

今回は、木曜夜間の施術を担当している
KA先生です。鍼灸マッサージの世界に入る前はハワイに住んでいたという異色の経歴をお持ちです。
毎月半ばに発信する記事を担当されます。どうぞお楽しみに!

 

春の夜の眠りは心地が良く、朝になったのも気づかないほど寝入ってしまう、という中国の唐詩の一節で、今はまさにこの季節ですね。
一方で、新年度がスタートする時期。新しい生活が始まり、身体が順応しきれず、睡眠に問題を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。



毎日のストレスや身体内面の疲れを軽減させるためには、質の高い睡眠を確保することが大切です。
というのも、身体的な疲労は、安静にしていればある程度回復するのに対し、ストレスや精神的な面で負担がかかる脳は、良質な睡眠をとらないと休むことができないからです。

通常、一晩の睡眠中、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠が90分~120分周期で数回繰り返すといわれています。脳はノンレム睡眠の時に休んでいる状態です。このため、ノンレム睡眠があることにより、疲労回復の効果が高くなります。さらに深いノンレム睡眠の時には成長ホルモンも分泌され、細胞の修復にも寄与するとのこと。深い眠りが必要なことがわかりますよね。
一方で、レム睡眠の時には、脳は活動しているものの、身体の動きに対して指示を出す必要が無いため、脳は負担が少なく活動できるとされています。そしてこの時に脳が行っている活動の一つが、記憶した情報の整理です。
テスト勉強をした後や、仕事でプレゼンの準備後に睡眠を取った方が、徹夜してそれらに臨むより、記憶力が定着するといわれる所以です。



さて「春眠暁を覚えず」のような睡眠を取るためには、自律神経のバランスを整えることが大切です。眠りに入る前に副交感神経を優位にして、気持ちよく眠りに入りたいですね。日頃の習慣では、毎日規則正しい就寝時間のリズムを作ること、適度な運動を継続すること(就寝直前はNG)、カフェインやアルコールを摂りすぎないこと、就寝前、中途覚醒時のスマホやパソコン作業を止めること等が有効です。

鍼灸による施術は、体内のバランスを調節するご自身の力を引き出すお手伝いをします。新年度の疲れが溜まるこの時期に、ぜひ鍼灸治療を試してみてはいかがでしょうか。


今年度も皆様方のご利用をお待ちしております。