東洋医療総合学科Blog

【はりきゅうマッサージ治療室だより】「健康寿命の延伸」

2023年09月15日はりきゅうマッサージ治療室だより

「健康寿命の延伸」
  
 朝晩の気温や空に浮かぶ雲の様子などからは、ようやく秋の気配が感じられるようになってきました。季節の変わり目となりますが、皆さんお身体の調子はいかがでしょうか。

 9月は健康増進普及月間です。毎年、厚生労働省や地方自治体が中心となり、私たちの健康に対する自覚を高め、健康づくりを推進するために様々な活動を行っています。今年は、「1に運動 2に食事 しっかり禁煙 最後に薬」という統一標語を掲げ、健康寿命の延伸の重要性を提起しています。

 厚生労働省の令和4年版の白書によると、2019年時点での0歳における平均余命を表す「平均寿命」は、男性81.41歳、女性87.45歳でした。一方で、日常生活に制限のない期間を表す「健康寿命」は、男性72.68歳、女性75.38歳でした。これら二つの寿命には、男女平均して約10年のギャップがあります。これは日常生活に制限のある「健康でない期間」を意味します。そこで、健康寿命を延伸してこの二つの寿命のギャップ期間を短くしていこうというのが目標となっているわけです。

 それを実現するためには、病気になってから治療するのではなく、日頃の生活習慣を改善し、生活習慣病等の発症を抑える「一次予防」が重要であり、日常的な運動習慣とバランスの取れた食事への生活改善が大切だとしています。

日常的な運動は、ウォーキングやジョギング等、簡単にできることから始めることをお勧めします。今月中は、「めざせてっぺん!地域対抗 みんなでウォーキングチャレンジ」が実施中ですので、自分のペースで楽しみながらウォーキングを始める良い機会かもしれません。





また、バランスの取れた食事を摂るには、①エネルギー源となる炭水化物等の「主食」、②筋肉や血液の源となるタンパク質・脂質からなる「主菜」、③身体の調子を整えるビタミンやミネラルを含む「副菜」、これら3要素を上手く組み合わせることが大切です。更に、1日三食を規則正しく摂ることで、体内時計の調整にも繋がり、良質の睡眠を取ることへの効果も期待できます。





 東洋医学においては、未病の段階-即ち、様々な自覚症状があっても検査では異常がない状態-のうちに治療することによって、病気に移行することを防ぐという考え方があります。前述の統一標語にある「最後に薬」に至る前に自らの治癒力で病気にならない身体にしていきたいものです。

 食事の改善や日々の運動により身体の状態を良い方向に向け、鍼灸治療を通じて身体のバランスを維持し、健康を増進させましょう。日頃の行動の積み重ねが、将来の自分の身体に跳ね返ってきます。始めるのに遅すぎることはありません。今日から少しずつでも始めて、健康寿命を延ばしていきたいですね。(KA)