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天津通信

【鍼灸マッサージ師】天津留学通信68 ~最高気温が氷点下の天津&新しい外来実習~

2018年02月09日

1月に入り寒さも一段と厳しくなり、日本でも寒波の影響で記録的な寒さと聞きましたが、こちら天津も最低気温はマイナス10度以下、最高気温も0度にとどかない日も何日もありました。寒い日が続いているせいか、日本の温泉に入りたくなります。天津にも一応温泉はあるのですが、やはり日本の温泉を恋しく思います。時々、お寿司を食べたくなったり、温泉を恋しく思ったり、どこまでいってもやはり自分は日本人なのだなと感じさせてくれます(笑)

天津1月-1 


<冬休み突入>
 ここ天津中医薬大学も冬休みに入り、多くの学生が実家に帰省し大学の構内はとても静かになっています。長期休みと言えば学生時代にすごい量のお灸の宿題をやった記憶があります。今でも健在しているのでしょうか(笑)もちろんこちら中国でも灸の治療はあるのですが、天津の中医病院で使用しているものは棒灸が多数を占めます。その為使用している場所では、あの独特の素晴らしい香りが辺りに立ち込めています。
自分が感じるところ、日本のお灸(ここでは透熱灸「皮膚に直接するお灸」を指しています)の技術ははとても素晴らしく、誇れる部分なのではないでしょうか。以前中国人の友人の前で透熱灸を披露したところ、こんなぺえぺえの私ですら賞賛されるくらいです。それだけ日本の透熱灸の技術は希少価値が高く、指導や学生のレベルがトップクラスの衛生学園は、ある意味日本の技術と言っても過言ではないくらいです。

 さて今回の冬休み、私は進修生ですので正直言って関係有りません。と言いますのも学校には属しているものの、実習がメインになりますので病院が休みにならない限り私も休みにはなりません。よって2月の春節の期間一週間、いわゆる旧正月になりますが、その期間だけお休みを頂く事ができました。日本に帰る理由も特にありませんので、今回は中国にて春節(旧正月)を過ごそうと考えております。しかし予想外の予想外で、なんと爆竹はやらないそう(泣)患者さん情報によると空気が汚くなるだとか、音が凄いだとか。まぁ私からしてみれば普段から空気は汚いのに今更何を。なんて勝手な事を思っていますが。(笑)ともあれ日本に帰らないので、この冬休み期間は研修生も少なくなり先生との濃い時間が過ごせそうなのでとても楽しみです。
 
<病院実習>
 さてその病院実習ですが、ここに来て新しい担当の先生の外来に行くことにしました。もちろん付梅先生と韓景献先生の外来も継続して行っていますが、新たな学びを求めて次なる場所は南病院へ。この度お世話になる先生は董先生、広州中医薬大学出身の先生です。この先生の得意とする治療は埋線(埋没鍼)であり、また美容目的やダイエット目的で来る患者さんが多いのが特徴です。中国の美容鍼灸って?どういう治療をしているの?鍼でダイエット?身体に埋める鍼って何?色々と気になるところだと思いますが、いずれも日本人の身体に適しているか、中国人の身体に適しているか、という観点から見なければいけないために、仮に同じ方法で日本人に治療を行ったとしても効果が絶対的に同じであるか、と言われるとそうでは無いと先生は仰っていました。

そもそも、日本ではまず埋鍼(埋没鍼)は法律上アウトですので厳しいですし、美容で使っている鍼は0,18で、一般的に日本で美容鍼灸の方々が使っている鍼はもう少し細いはずです。ダイエット効果を狙うならば内面から整えるツボを沢山使っているのだろう、と思われがちですが、基本的に中医薬の果たす役割の部分が大きく、内は内でも要するにこの美容鍼灸に大きく関わっているのは中医薬+鍼灸の「介入」であって、鍼灸がメインとは言えないのかな。と思う部分がありました。但し私の書いている事は大まかな部分であるので、一概に鍼だけでのダイエットは効果が無い!と言っているワケでもありませんし、逆に中医薬を使っているから効果が大きい!と言っているワケでもありません。

この中医薬で機能調節を図れる部分は大きな役割を果たしているのでは無いかと感じさせられました。結局何が言いたいかと言うと、それぞれの体調や体質に合わせた治療が出来るのはとても素晴らしい事なのだ、と改めて感じさせられました。日本には日本のカタチとなるものがあるし、それが日本人の体質に合っているならばそれは治療として成功している。韓景献先生も同じような事を言っていました。それは「异曲同工」である。付先生の言っていた成語ですが、異なった方法でも効果は同じ。それが意味する事だと思います。
何より、日中双方の治療の差異を垣間見るこの瞬間が今ではある種の快感になっています(笑)

天津1月-2


大勢の中国人に囲まれ学んでいると、日中双方の良さを確認出来るのもそうなのですが、自分たちももっと何かしなければ!という気持ちにさせられます。これだけエネルギッシュで、且つスピード感溢れたこの中国に居るからかもしれません。そのエネルギーを沢山貰い、今後も励んでいきたいと思います。

田中悠理