リハビリテーション学科Blog

【理学療法士】 なぜ3年制なのか?

2016年07月28日リハビリ

「私たちの学ぶ技術は、芸術であり、科学であり、職業でもある」
 
これは東京衛生学園専門学校の建学の精神です。本校は今年で創立63年を迎えますが、設立当初より「職業人の育成」に重きを置き教育をしてまいりました。
理学療法士を育成するリハビリテーション学科でも「職業人の育成」に力を入れているからこそ、3年制の教育にこだわっています。なぜ3年制なのか。それは、「在学期間だけでは、職業人としての理学療法士育成を完結できない」と考えているからです。

理学療法士として求められる能力の一つに「現場対応力」があります(こちらの記事もご参照ください)。
「現場対応力」を磨くためには、実際に現場で患者さんと接する時間、学生として学ぶ時間、どちらが有効でしょうか? また、患者さんや他の医療職種の方々とのコミュニケーション能力は「現場」と「学校」、どちらにおいて磨かれるでしょうか?
学校での3年間は、あくまでも理学療法士として長く働くための基礎となる知識や技能、「現場対応力」を発揮するための「解決力」を身につける期間です。国家資格を取得し現場に出る4年目から、本当の意味で「職業人としての理学療法士」の成長が始まるのです。
リハビリテーション学科が、より早く資格をとることができる3年制にこだわる理由はここにあります。

そして、本校の教育は「現場に送り出して終わり」、ではありません。卒業生に対しても関わりを継続し、「職業人としての理学療法士」教育を実践すべく、さまざまな試みを行っています。
事例をご紹介しましょう。

4年目以降の育成として、まずは学校と同窓会が連携して実施する「卒後研修会」があります。現場経験豊富な同窓生を中心とした講師を招き、現場ですぐに実践できる実技研修だけでなく、「解決力」の向上を図るための理論研修や「現場対応力」につながる実務研修など、多彩な内容の研修会を開催しています。
(写真は同窓会30周年記念イベントの様子です)


 
さらに本校で最も頻繁に実践しているのは、「学校へ相談にきた卒業生への個別対応」です。
例えば、新人理学療法士の試練の一つに、「院内研修での発表」があります。勤務先にもよりますが、ある症例について調べてまとめ、その発表を当番制で行うことで、職場でのスキルアップを図るということが行われています。
そんな時、学校に足を運んで図書室で調べものをし、教員に聞くことでまとめをし、発表にのぞむ卒業生が少なくありません。「充実した図書」「教員と学生の距離の近さ」、本校が大事にする教育のポイントが、卒業後まで力を発揮します。

卒業後3年目以降の育成はどうでしょうか。理学療法士として3年ほどたつと、それぞれの勤務先で、理学療法士を目指す学生を臨床実習の場で指導する機会が訪れます。これも試練の一つです。理学療法士として求められるスキルと、学生指導のスキルは全く違うからです。
そこで本校では臨床実習指導者のための研修会を20年ほど前から実施しています。実習先には卒業生が勤務しているケースが多いので、この研修会にも多くの卒業生が参加します。さまざまな施設の同窓生が集まるので、これまでとは違った視点でスキルを磨くこともできます。


 
また、本校ではキャリアアップのために転職を希望する卒業生に対しても、個別の相談に応じて就職先を紹介しています。そして、医療職としての幅を広げるためにさらなる資格取得を目指す方には、「学内推薦制度」を利用してはり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の取得を目指す道も開けています。
 
3年制の学校で理学療法士を目指すことに不安を持たれている方も多いと思いますが、大丈夫です。私たちも3年間で職業人としての理学療法士育成を完結できるとは考えていません。ましてや、4年間で完成するとも考えていません。
医療の資格はどの資格を取得しても一生勉強を続けていかなければなりません。4年後からの皆さんの成長のために3年間みっちり教育していく必要があるからこそ、在学中は手を抜きません。


これからの長い人生を理学療法士として働き続けたい。そんな気持ちの強い方にこそ、本校の姿勢が伝わると思います。「職業人としての理学療法士」とは何なのか、どんな教員が育成しているのか。より詳しく知りたい方は、ぜひ一度学校に足をお運びください。お待ちしています。 (リハビリテーション学科)

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