リハビリテーション学科Blog

【理学療法士】 「現場対応力」を養うキャリア教育

2016年07月22日リハビリ

理学療法士として働く現場では、今、どんな力をもった人材が求められているのでしょうか?
知識力でしょうか?
技術力でしょうか?

どこの学校でも理学療法士の国家試験に合格するための勉強をしますので、卒業すればそれなりの知識は身につけることができます。
技術については、学校によって少し差があるかもしれませんが、本当の意味で技術が身につくのは卒業後に働き始めてからです。(これは、どの医療職種にも当てはまるのではないでしょうか)
では、知識と技術があれば、リハビリを必要としている患者さんにアプローチをしていくことができるのでしょうか?

答えは「できません」です。正確に言えばそれだけでは「足りません」でしょうか。
「目の前の患者さんに対してベストのアプローチは何なのか」「今この現場で求められているのはどういった対応なのか」「自分だけでの対処ではなく、チームとして患者さんにアプローチすることが必要なのか」といった現場ならではの課題は、知識や技術だけではカバーできません。「問題発見力」「問題解決力」、つまりは「現場対応力」こそが、理学療法士が現場で求められる力なのです。

本校では、理学療法士として必要な知識や技術だけでなく、「理学療法士として働くために必要な力=現場対応力」を重視し、カリキュラムに盛り込んでいます。専門的な知識・技術以外もカバーする「キャリア教育」の授業についてご紹介します。

「オリエンテーションセミナー:理学療法概論Ⅰ」(1年次6月)
 ●リハビリの対象となるのはどんな人だろう?
 ●理学療法士として何を学んでいけばいいんだろう?
 ●理学療法士の仕事って何だろう?
 →授業レポート記事はこちら

入学したての時期、こういった疑問に対してまずは自分なりの答えを見つけていく1泊2日の研修です。患者さん、理学療法士の先輩たちの経験談から得るものは大きいはずです。
そしてもう一つの大きな狙いは「仲間づくり」です。この先3年間ともに学んでいくクラスメイトや教員との「つながり」をこの時期から作っていくことが、この先にやってくる困難を自分一人ではなく、仲間と一緒に解決していくための下地となります。

理学療法士のキャリア教育-1
 
「上級生との懇談会:理学療法概論Ⅰ」(1年次9月)
 ●解剖学って覚えることたくさんあるけど、本当に必要なの?
 ●生理学ってなかなか理解できないけど、本当に必要なの?
 ●今習っていることって、現場で働いたときに本当に必要なの?
 →授業レポート記事はこちら

専門領域の学習には「基礎医学」の学習は欠かせません。「基礎医学」の学習は本当に覚えることが多いです。教科書に向かいあう学習が続き、「本来目指している理学療法士のイメージから遠ざかって行く」、そんな錯覚におちいる学生もいます。
そんな時こそ「先輩力」によって解決です。先輩も同じような苦しみを味わってきて、同じような悩みを抱え、そして解決できたからこそ先輩になっているのですから。
自分一人では解決できない問題も、「誰かに頼って解決できる」ということを経験することが大事です。
 
「マナー研修:理学療法概論Ⅰ、臨床評価実習」(1年次2月、2年次9月)
 ●社会人として当たり前の挨拶ができますか?
 ●社会人として当たり前の電話の掛け方ができますか?
 ●相手を不愉快にさせずに応対することができますか?

理学療法士として求められる能力を身につけることも重要ですが、その前に必要なのは、社会人としての素養です。理学療法士として求められる能力が「専門」だとすると、社会人として求められる素養は「基礎」になります。「基礎」がないと、「専門」領域で学ぶことは身にもつきませんし、発揮もできません。
理学療法士としての一歩を踏み出す前に、社会人としての素養を身につけるための学習です。
 
「SPトランプ:臨床評価実習」(2年次12月)
 ●他者を理解する前にまず自分を理解しよう!
 ●自分を理解した上で、他者のことを理解しよう!
 ●自分を認めるのと同じように、他者のことも認めよう!
 →授業レポートはこちら

理学療法士を目指す学生にとって一番の難関になるのが臨床実習。患者さんに自分のどのような側面を出せばよいのか、患者さんを理解する上で自分との違いをどう認めていくのかなど、現場で求められる行動やコミュニケーションの在り方はケースバイケース、マニュアルはありません。そんな局面に立ち向かうための考え方、コツを学ぶのがSPトランプです。
患者さんが抱えている問題を明らかにするには、患者さんの立場になって考えていくことが必要です。グループワークで取り組むSPトランプを通じて、他者を見る眼、理解する眼を養うことで、「問題発見力」の向上にもつながってきます。
SPトランプで、コミュニケーションを取るための基礎を理解し、「問題発見力」を磨いた上で「臨床実習」に臨みます。

理学療法士のキャリア教育-2
 
「グループワーク形式の授業」(1年次~3年次)
 ●この問題は自分一人では解決できない!
 ●チームで取り組むって必要なの?
 ●コミュニケーションって難しい!
 →授業レポートはこちら

理学療法士は「患者さんを中心としたチーム医療の一員」でもありますし、個人で開業しない限りは必ず他者や他職種の方たちと一緒に働く職業です。そんな中で求められるのは「コミュニケーション力」であり「他者と一緒に取り組む能力」です。
グループワーク形式の授業では、様々な課題をグループ(チーム)の力で解決していきます。例えば、2年次に行う「臨床評価実習」の授業では、実際に実習先の患者さんをグループで診させていただき、「この患者さんに必要な評価方法は?」「どのようなアプローチが必要か?」「心理的側面ではどのような配慮が必要か?」という実践的な課題を、グループメンバーそれぞれが意見を出し合ってまとめ、発表会を行いクラス全体で共有します。
こうした経験を重ねることで、「コミュニケーション力」や「他者と一緒に取り組む能力」が磨かれ、その力が「問題解決力」につながっていきます。

理学療法士のキャリア教育-3

東京衛生学園専門学校リハビリテーション学科は37年にわたり、理学療法士を輩出してきました。この経験・蓄積を元に、理学療法士が「現場で何を求められているのか」を常に考えて、教育内容に反映し続けています。形だけではない、「現場で活躍できる理学療法士」を育成します。
 

「現場対応力とは何か」、もっと知りたいという方は、ぜひ一度ご来校ください。動画等も交えて、より詳しくご案内いたします。
 
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