トップページ VOICE 卒業生インタビュー:鍼灸マッサージ師として活躍する長塚さん

VOICE

長塚さん

東京衛生での厳しく実践的な学びが、
いまの私を形作っています。

鍼灸マッサージ師

長塚 大河 さん

東洋医療総合学科 2017年卒業
(神奈川県立麻生高校 卒業)

  • 卒業生

入学前は高校生

選手ではなく「支える側」になることを決意

高校卒業までは、野球部で練習や試合に励む毎日を過ごしていました。
私が鍼灸マッサージ師と初めて出会ったのは、中学生の頃。
大きなケガをしてしまい、アスリートを中心にケアを行う先生にお世話になりました。
その方は、身体も大きくて「なんだか怖そうな先生だな…」という印象でした。
しかし、いざ診察が始まると、とても優しく親身に接してくださり、ケガや施術に対する不安がなくなっていったのです。
1度の施術で大きな安心感と信頼感を得られたので、その鍼灸院には高校生になっても通い続けていました。

高校卒業後の進路を決める時期になっても、野球ばかりしてきた私には、それ以外にやりたいこともありませんでした。
ケガをしたこともあり、野球でプロをめざすこともできない。
それなら、あの鍼灸院の先生のようにスポーツをする方を支えられる人になりたい。
そう思って、鍼灸マッサージ師を目指せる専門学校に進学することにしました。

「国家試験合格の先」を考える東京衛生への入学を決意

学校選びは、インターネットで検索して上位に出てくる学校は全てチェックしました。
オープンキャンパスにも積極的に参加し、私の心に一番響いたのが東京衛生でした。
「一流になりたい人だけ、この学校に来てください」という言葉に衝撃を受けると同時に、
国家試験合格ではなく、その先を考えてもらえる学校なのだと思えたのです。

自宅から東京衛生までは片道1時間程度。学費は他校より高めです。
それでもこの学校が良いと思えたので、入学を決意しました。

基礎力を磨けたのは、大変な日々があったから

覚悟を決めて入学しましたが、実際の学校生活は想像以上に大変でした。
座学をしっかり学ぶことはもちろん、質の高い技術を身に付けるために、自習や実技練習に励む毎日でした。

特に、鍼の練習は一生懸命やりました。
というのも、東京衛生の実技試験では、鍼を刺す位置や角度はもちろん、スピードも求められます。
速やかにそして正確に鍼を打てるようになるために、
休み時間や放課後はもちろん、夏休みなどの長期休暇にも必死に練習しましたね。

反復練習に没頭しすぎて「あれ、いま何をやっているんだっけ?」と
自分が何の練習をしているかわからなくなってしまう瞬間もありました(笑)。
それほど何度も何度も同じ練習を繰り返しました。

2年生の「臨床実習」では、実際の患者さんを対象に問診や治療を行いました。
クラスメイト以外に施術するのは初めてだったので、緊張感を持って挑みました。
その際、先生から「自信を持ってやらなければ、患者さんに不安を与えてしまう」と教えてもらったことは、今でも鮮明に覚えています。

入学当初こそ、本当に厳しい学校だと感じていましたが、
不思議なことにその厳しさも少しずつ当たり前になっていました。
そのおかげで、基礎力をしっかり身に付けることができました。

治療家として広い視野を得るために、海外へ

東京衛生の先生方からは、たくさんのアドバイスをいただきました。
いまでも私の働き方を支えているのが「本を読め、外に出ろ」という言葉です。
能動的にならなければ、患者さんだけでなく自分自身にとっても、
有益で質の高い情報を得られないという意味が込められたものです。

日頃から繰り返し言われていたので、
在学中から積極的に専門書やセミナーなどで情報収集する習慣を身につけられました。

そのおかげで見つけられたのが、アメリカ・ロサンゼルスで活躍されている先生が主催する研修プログラムです。
2年生の春に1週間、アメリカのクリニックや現地の大学にある「トレーナー部」の活動を見学しました。
治療家として渡米して、こんなふうに活躍している人がいるのか!と大きな刺激を受けました。

このとき受けた刺激もあり、卒業後はカナダ・バンクーバーで指圧の仕事に就きました。
海外で働くことに不安もありましたが、1度きりの人生だから!と思い切って挑戦することにしたのです。
ビザの関係で1年ほどしか滞在できませんでしたが、
指圧の手技をしっかり磨きながら、治療家としての土台を固められたと感じています。

どんな人にも、最適な治療を行うことをめざして

長塚さん施術中 カナダからの帰国報告を兼ねて、日本に帰ってすぐに東京衛生を訪れました。
日本での再就職について相談すると、いろんな先生が親身に話を聞いてくださいました。
私の希望する条件や、私自身の適性なども加味しながら「ここは合いそうだよ」と紹介してもらったのが、現在の勤める訪問マッサージの職場です。

高齢者のご自宅や施設を訪問して、マッサージを中心とした施術を行っています。
希望される方には鍼灸治療を行うこともあります。
マニュアルに縛られず、患者さんの身体の状態や要望に合わせて施術できるのが、この鍼灸院の良いところだと思っています。
セミナーで得た新しい知識も使いながら、患者さんにとって最適な治療方法を日々模索しています。

高齢者の方々が抱える症状が、数回の施術で劇的に良くなるということはほとんどありません。
それでも、私たちの訪問を楽しみにしてもらえているのが、大きなやりがいです。
治療を必要としている方々に対する敬意を忘れずに、
いつでも真摯に向かい合うことを意識しながら、これからも日々の業務に取り組んでいきます。

目標はいつか独立して、地元・川崎に貢献することです。
それまでに積み上げた経験をフル活用して、年齢、国籍などを問わず、どんな患者さんに対しても適切な施術を行いたいです。