東洋医療総合学科Blog

やってて良かった…専攻科でも

2014年02月10日授業の様子

長野式。やってて良かった長野式!
 
今年から新カリキュラムの臨床教育専攻科。実技内容の見直しを図っているのだが、東洋医療総合学科の授業でもお世話になっている、wkey 長野式研究会代表の村上裕彦先生に来て頂いております。
 
写真:東洋医療総合学科では10年以上お世話になっている村上先生。やっと専攻科の授業にも組み込むことができました!
 
長野式を知らない方の爲に、私が昔話風に紹介しましょう(笑)
 
ある時九州にものすごい腕の鍼灸師の先生がいました。名前は長野潔先生(故人)。
先生は目の不自由な鍼灸師でしたが、脈診という患者さんの手首の脈を診ることで患者さんの病気を確認できるすごい先生でした。例えば、女性の患者さんの脈を診て妊娠しているかわかったり、薬を飲んでいるかどうかなどなど。先生は脈診でその患者さんに鍼をするツボも決めていました。そんな名人な先生ですが、有名人ではなかったようです。
 
ある時、先生の記事を見た一人の女性鍼灸師が先生に弟子入りします。その先生の名前は松本岐子先生。
 
天才と天才が出会った瞬間でした。
 
長野先生が脈診でやっていることを、もっと簡単にできないか。注目したのは腹診でした。腹診とは読んで字のごとく腹を診ること。お腹を触ってどこかに痛みがないか確認します。こうして、長野先生が脈診でやっていることを、腹診に置き換えて、病気のことや患者さんに使用するツボを決めることができるようになりました。その後、松本先生は長野先生から学んだことをヒントに鍼灸古典を独自の解釈をして発展させていき、現在その方法は海外で『キー子スタイル』と呼ばれています。
 
長野先生のところに松本先生が弟子入りした時、松本先生に誘われて、学生時代のクラスメイトでいっしょに長野先生に学んだ先生がいます。それが村上裕彦先生です。長野先生に学び、松本先生にも学び、二人を師と仰ぐ村上先生は、二人に教わった内容を日本国内に広めています。
 
写真:実技解説中の村上先生。
 
村上先生とのご縁で、私は松本岐子先生にもお会いしていますし、セミナーなどにも参加させて頂いております。最近だと、アメリカはサンディエゴの学会でお会いしました(笑)。残念ながら長野先生にはお会いすることはできませんでしたが、松本先生とお話しすると、なんて言うかワクワクします(笑)。天才という言葉を安易に使うつもりもないですが、子供の頃に初めてナイフを買ってもらった時と同じくらいのワクワク感があるんですよ。そして、その講義と実技を体験してさらにワクワクする。
 
村上先生が代表を務めるwkey 長野式研究会の『wkey』とは、長野潔先生の潔の『ki』と松本岐子先生の岐子の『ki』の二つの 『ki』を『key』(鍵)に、2つだから『wkey』だそうです。ちなみに、『長野式』という名称を考えたのも村上先生なんです。
 
写真:会陽(えよう)というオシリのツボに鍼をしている村上先生。じっと見つめる学生さん達。なんとも言えない雰囲気です!
 
長野先生と松本先生を師と仰ぐ村上先生。天才と呼ばれる松本先生の知識と技術を体感すると、長野先生ってすごい先生だったんだろーなとホント思います。
 
そして、村上先生の講義を聞く度に、長野先生って人としても素晴らしい先生だったんだなーと感じます。
 
私の勝手な妄想ですが、長野潔先生の技術・知識・心の中でも知識に関するところは松本先生にちょびっとばかし多く受け継がれて、心の部分はちょびっとばかし村上先生に受け継がれているんじゃないかなーと、お二人に接すると感じてしまいます(笑)。
 
 
※wkey 長野式研究会HP http://www.wkey.jp/