東洋医療総合学科Blog

【東洋ブログ 大希のつぶやき】東京衛生学園「卒後研修」19

2019年05月29日今日の東京衛生

「卒後教育」という言葉を耳にして久しいですが、本校では10年前から「卒後研修」を実施しております。卒業したばかりの新米鍼灸師は臨床の現場において不安や心配でいっぱいです。そんな卒業生の為に臨床経験を積ませてあげたいというのが卒後研修です。卒業生は当然鍼灸マッサージ師として働いておりますが、マッサージに比べて鍼灸を担当できるようになるには、もつと時間と経験が必要です。本校のカリキュラムを持ってしても卒前にできることには限界があります。

そんな「卒業研修」ですが1年のお休みを経て、4月から新たに始まっております。ヤナギサワさんはこの春本校の夜間部を卒業し、マキちゃんは昼間部を卒業しました。二人は月曜日の午後からの研修です。昨年まで3年生の臨床実習をしていた場所で、プロとして治療を始めています。


入り口の扉を開けて右に曲がると受付がありますが、写真のように奥に進むとたくさんのベッドがあります。


上の写真で奥まで行って右に曲がったところ。
学校の「卒後研修」ですので、治療院での修業とはいろいろとシステムが違います。奥に骨格模型が見えます(笑)



こちらの治療室は東京衛生学園専門学校の「附属はりきゅうマッサージ治療室」という名の治療院です。町の鍼灸マッサージ治療院といっしょです。診療時間も決まっており、料金は一般 5,000円、高校・中学生 4,000円、小学生以下 2,000円、場所は東京衛生学園専門学校に隣接するレンガ色の「富士ビル」3階となります。私も火曜日と金曜日の授業の合間を縫って患者さんや学生さんの治療を行っております。この中でいっしょに「卒後研修」も行われているんです。


手前で座っているのが受付担当の松岡さん。そして一番右に立っているのが「附属はりきゅうマッサージ治療室」の室長の渡辺先生。中国にも留学していた臨床30年のベテランです。中国語の「全国通訳案内士」(国家資格)も持っているスペシャリストなんです。「卒後研修」は少数制で各曜日の午前午後に渡辺先生の指導の下行われます。研修生の状態に合わせてのマンツーマン指導となりますので、臨床能力もめきめき上がっていきます。


本校には昨年まで「臨床教育専攻科」という鍼灸マッサージ師の教員資格を得るための学科がありました。本校の教員は鍼灸マッサージの免許を取った時の学校はバラバラですが、みんな本校の臨床教育専攻科を卒業しております。で、その臨床教育専攻科の実習にいらしていた多くの患者さんを、引き続き「卒後研修」で診させて頂いているという状況なんです。ベテランの患者さんの治療に当たり、いろいろとご指導頂きながら、渡辺先生の指導の下、適切に治療を行っていきます。卒業したばかりの頃って、治療院に勤務してもマッサージの患者さんは担当させて頂くことはあっても、鍼灸の患者さんを担当できるまでには時間がかかるものなんです。しかし、「卒後研修」だと学校のシステムの中で行われていますので、効率よく臨床能力を向上させることが可能となっています。私の学生時代にもあれば…と思ってしまいますよ。羨ましい時代です。


私が「卒後研修」の写真を撮りに行った時は、ちょうど問診(今は医療面接といいます)の指導を受けていました。しかし、そこから話題は外国語でのやり取りに。中国との貿易の仕事をしているヤナギサワさんは中国語が堪能。そしてマキちゃんはご主人が外国の方ってこともあり英語がペラペラ。そこで中国語と英語で問診どうするんだろうってことから、外国語の資料を見ながらの指導になってました!こういう臨機応変な指導が受けられるのも「卒後研修」ならではですね。


本校の教育(知識・技術・態度)を学んだ学生だから参加できる「卒後研修」。
残念ながら本校以外の方ですと、習ってきたことが違うので…。本校での基礎を元に、実際の臨床を行っていく。3年生の時の「臨床実習」とはやはり、緊張度も大違いです。3年間の学校生活+卒後研修=4年間の臨床教育は東京衛生学園専門学校ならではのシステムって言えますかね。