東洋医療総合学科Blog

【はりきゅうマッサージ治療室だより】梅雨と気象病

2023年06月15日はりきゅうマッサージ治療室だより

月の半ばは、木曜夜間の施術を担当しているKA先生の「治療室だより」です。
前回(春眠暁を覚えず)に続いて、季節と身体にまつわる話題、今回は梅雨のお話
(写真もKA先生撮影です)。
 



今年も梅雨の季節がやってきました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今月初旬に発生した台風と大雨の頃から、身体の不調を訴える患者さんが増えたような気がします。めまいや片頭痛をはじめ、腰痛など日頃お持ちの症状の悪化、胃腸機能の乱れなど、患者さんによって症状は様々です。



最近「気象病」という言葉を耳にされた方も多いのではないでしょうか。正式な病名ではありませんが、気温や気圧、湿度の変動によって生じる身体の不調全般を指すものです。台風が発生したり、雨が降り出したりする前には気圧が低くなりますし、梅雨の今頃は湿度が高くなることから、患者さんが訴えるこの頃の症状の多くは気象病に当てはまるのかもしれません。

耳の奥に位置する内耳には、気圧センサーの役割があり、交感神経に働きかける作用があります。これが過剰に反応すると眩暈や頭痛の原因となることが考えられています。また、外気圧が低下すると、身体の内圧が上昇し、血液中の水分が身体の組織に流出して、浮腫みの原因になるとも言われています。

東洋医学では、身体は常に外からの圧力を受け、それに抵抗する内圧によりバランスを保っているとされています。外気圧の低下により、人が持っている内圧とのバランスが崩れ、様々な全身症状が現れるとも考えられるのです。

このような気象の変化による症状が出たら、耳の周辺を刺激してみましょう。耳たぶを持って優しく回すようにマッサージをする、耳を温めたタオルで覆う、耳周囲のツボを刺激するなどが効果的です。また症状が出た時の天気や気温、湿度などを記録しておくと、症状が出やすい日を予想することができ、予防や対策を講じることにも繋がります。

気象病も自律神経のバランスに大きくかかわっています。交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにするためには、運動が効果的。手軽に行えるウォーキングなどの軽い有酸素運動がお薦めです。鬱陶しい梅雨の季節ですが、積極的に外に出て、今だからこその季節を楽しんでみましょう。街中に咲く紫陽花の色の変化を楽しむもよし、少し視線を上げれば、雨に濡れて輝く新緑が広がっているかもしれません。

辛い症状が出そうになった、症状が出てしまった、という時には鍼灸治療もお試し下さい。身体のバランスを整え、リラックス効果も期待できますよ。