東洋医療総合学科Blog

【サークル活動】2023年度「第4回 機能解剖学研究会」

2023年10月06日今日の東京衛生



第4回機能解剖学研究会が開催されました!
今回のテーマは、機能解剖学的パルペーション下肢編(パルペーション:触診)でした。

一般の患者さんを診ていると、腰痛、膝痛をはじめ、腰椎椎間板ヘルニアやランナー膝、下腿コンパートメント症候群など神経や血管の障害によるしびれや重だるさ、筋力低下など臨床上で遭遇する下肢の症状に多く対峙することがあります。

第2回では、腰部から下肢の症状に対してどのような検査、動作の時にどのような症状が想定されるか、学生と考察していきました。
今回は、実際に施術する時に何に対して手技を加えていくのか、ということで、体表解剖で触知できるランドマークを確認しつつ、下肢のパルペーションとして特に筋溝を指でたどるところから始めました。

まずは、大腿後面(もも裏)です。
大腿後面にはハムストリングス(大腿二頭筋と半腱様筋・半膜様筋)の筋溝があります。
この溝が施術をする時にちゃんと触れられるかどうかで治療効果が大きく変わってきます。
ちゃんと触れられるかどうかは表面だけでなく、溝の奥、つまり深さも重要になってきます。

指標となるランドマークを確認してから溝の場所を探していきます。
溝を触れることが出来たら、次に深さを確認していきます。

私の方で全員分の身体を蝕知していき、患者役の学生に感覚を覚えてもらいます。
そこからペアの学生が同じ場所を触れていく感じです。
うまく触れられていない場合は、学生の指の上から私が触知することで、学生にも触れた時の感覚を覚えてもらいます。

写真:やっちゃんが大腿直筋を触れています。


写真:やっちゃんが前脛骨筋を触れています。


溝によって浅い溝、深い溝があるんです。
深さについては毎年学生が苦労していますが、やっていくうちに触知している学生と患者役で受けている学生とで「そこそこ!」という言葉が出てきます。
これかな、あれかな、とやっていると段々と触れられるようになる学生が出てくるんですよね。
だからどんどん触れてもらいます。
大腿四頭筋の外縁を触れる練習もしましたが、何となくこの辺ではなく、しっかり筋溝を触れる、その溝をたどれるように手に集中してもらいます。

はじめは触り慣れていないので母指で触ってもらい、場所がわかってきたら手根(手のひらの付け根)でも触れる練習をしていきます。

今回は、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、下腿三頭筋、腸脛靭帯、長腓骨筋、大腿四頭筋、前脛骨筋にある溝を触れていきました。
臨床実習でどの筋にアプローチをしているのか、学生は考えながら施術を組み立てていくわけですが、触れているものが何なのかということを考えつつ、更には狙ったものに触れられるようにすることはとても大切です。
学生自身も臨床実習から学ぶことは卒後の臨床をやっていく上でとても印象深く心に残り続けますから、色んな体に触れて、考えて、覚えた感覚を忘れないように、繰り返し練習してほしいものです。

次回は上肢のパルペーションの予定でしたが、学生と話し合った結果、今回やったパルペーションの続きと実際に施術した時の体の変化を確認してみる予定です。

いつも写真を撮り忘れます
東洋医療総合学科
専任教員 川井