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【はりきゅうマッサージ治療室だより】「十三夜と秋の七草」

2023年10月16日はりきゅうマッサージ治療室だより

「一雨一度」と言われるように、一雨ごとに気温が下がっていく季節となりました。暑かったことを忘れてしまうほど急に気温が下がってきた感がありますが、皆さんいかがお過ごしですか。

 今年は中秋の名月(旧暦の8月15日)と満月の日が重なる年となりました。9月29日の晩は、満月を見ることができましたでしょうか。東京では曇っている所も多かったようですが、学校のある大森近辺では、時間帯によっては雲の隙間から明るい月を望むことができました。ハワイの友人からも、ホノルルの満月の様子が送られてきましたのでご紹介します。日系人や日本から移住している人が多いハワイでも満月を観賞した人が多かったようです。



 さて、お月見といえば十五夜が一般的ですが、日本では十三夜のお月見の風習もあります。旧暦の9月13日のお月見を指しますが、天気も安定する頃であり、十五夜に続く美しい月ともいわれています。また、十五夜が中国伝来のものであるのに対し、十三夜のお月見は平安時代に日本独自に広まったものと言われています。

 お月見では、秋の収穫を感謝する意味を込めて、お団子の他に栗、豆、芋等の収穫物や秋の七草をお供えするのが良いとされています。すすきを飾るのも定番ですよね。

 秋の七草は万葉集で詠まれたのが始まりで、萩、尾花(すすき)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、朝貌(「桔梗」ききょう)の七草です。春の七草が「七草粥」にして無病息災を祈るものであるのに対して、秋の七草は美しさを鑑賞して楽しむものと言われていますが、一方で、生薬として用いられてきたものもあります。




 例えば、葛の根は、発汗、解熱、鎮痛作用があるとされ、お馴染みの葛根湯の成分ですし、桔梗の根には、鎮咳、去痰、抗炎症作用があり、桔梗湯や小柴胡湯加桔梗石膏の成分に含まれるほか、のど飴の成分に含まれているものも。秋が深まるこれからの時期、体調を崩した際に処方されそうな漢方薬ですね。このほか、女郎花の根には、解熱、消炎、解毒作用があるとされ、敗醤根(ハイショウコン)に用いられるそうです。




 十三夜は、満月になる直前のちょっと欠けたお月様ですが、十五夜と両方を見るのが良いとされ、片方のみを見るのは片見月と言って縁起が良くないとも。十五夜を見た方は、是非十三夜も見てみましょう。また、十五夜を見なかった方は、是非、このブログの十五夜をご覧いただき、十三夜のお月見も観賞してみて下さい。今年の十三夜は10月27日です。お団子や秋の七草を飾って、秋の収穫や日頃の健康への感謝の気持ちを祈るのも良いかもしれません。

 身体の冷えには十分お気を付けて、秋の夜長をお過ごしください。(KA)