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天津通信

【鍼灸マッサージ師】天津留学通信31 ~抜鍼での信頼~

2014年12月14日

冬も本番!天津留学中、金崎さんからのメッセージです。


日本の今年は通常より早く大雪が降っているようですが、天津は今日12月10日早朝に初雪が降りました。

12月に入り外の寒さと風の冷たさが増し、病院での新患の患者さんは顔面神経麻痺の方が増加しております。
現在1歳の女の子も顔面神経麻痺の治療で来院しており、3回目が終了した時点でかなり回復しております。病院内では小児から高齢者までの老若男女の多くの患者さんが、顔面部への針治療を受けております。

☆まず抜針で信用されることが重要!☆
顔面部への刺針は顔面神経麻痺に限らず脳血管障害や耳鳴、三叉神経痛等の多くの疾患に行われます。患者さんによっては頭部から顔面部だけで20本、30本と数多くの針が刺される為針の痛みに耐えながら治療を受けている方もおられます。よって学生が抜針をする際、顔面部は特に注意を要します。陽白、攅竹、太陽、四白穴等の前頭部から目周辺にかけての経穴部位は、抜針時に出血し易く痛みを生じやすい部位なので慎重に行います。基本通り慎重に抜針しても、針の刺入深度や年齢、皮膚の状態により出血することがありこれも日々勉強です。

昨日、24歳女性顔面神経麻痺の患者さんの抜針を行っていた所、通常より多く出血し、抜針後「とても痛い!」と言われ、更に周囲の患者さんに痛みを伝えていました。「痛い!」と目の前で怒りながら言われたのは初めてなのですが、その日はちょっと気持ちがへこみました。

そして今日、その患者さんが来院されました。一瞬私の気持ちは「今日あの患者さんの抜針したくないな~。誰かにやってもらおうかな。」と逃げの姿勢になりかけたのですが、30分後抜針しにいくことに。針を抜こうとすると、女性はちょっと苦笑しながら(抜針を少し怖がりながら)目の前にいた中国人学生に目で訴えます。昨日の状況を見ていた中国人学生は「私が抜針しましょうか?」と言い、患者さんも小さく頷きます。

私は瞬間的に「少し怖がってはいるけど本気で嫌がっていないな!」と判断し、「ここで引いたら、今後は自分の抜針を拒否されるだろうから引けないな!」と思い、患者さんに「大丈夫、大丈夫。」と言いながら、抜針を始めました。「痛くない?大丈夫、大丈夫!」と言いながら、半面自分に言い聞かせながら慎重に行いました。結局患者さんは痛がらず、笑顔で帰られました。

臨床現場で中国人の患者さんと接していて感じることは、色々な面で日本人の患者さんよりはっきりと気持ちを伝える人が多いように思います。例えば一部の患者さんは、学生が刺針及び抜針時に痛みがあると、「痛い!」と言い急に表情が変わりますが、逆に抜針や刺針が上手な場合、すごく褒めてくれます。「昨日百会に刺してくれた針すごく良かったよ。頭から喉のあたりの高さまで響く感じだったよ。よく眠れたよ。」という感じです。

そして患者さんに認められると、直接刺針や抜針を指名してくれます。治療室内は薄いカーテンで仕切られているだけなので、大声で話す患者さんの内容が耳に入ってきます。褒められている内容が他の患者さんに聞こえていれば良いのですが、「あの学生は抜針がとても痛い。」というような悪い内容だと困ります。

その他中国の患者さんの特徴の一つに病院内(治療室内)で出会った人たちが、友達になることが多いです。病友(Bngyu)と言い、特に中年以降の同性同士の患者さんが毎日病院にくる時間を決め、隣同士でベッドに入り一緒に治療を受けて帰っていきます。何名かの病友同士が仲良くなり一つのグループを形成していることもあります。

例えばこの中の一人の患者さんに気に入られると、他の友達から刺針の指名がくることもあります。先生は患者さんから学生に直接指名されていることを知ると、その学生にある程度安心して刺針を任せられるのではないかと思います。

今後一名でも多くの患者さんから指名していただけるよう、努めていきます。

写真は先日日曜日の夜、寮のベトナム人の部屋に遠先生、ベトナム人4名、中国人学生と医師等5名、イタリア、インドネシア、香港人学生各1名、そして私の計14名で食事会を行った時のものです。

遠先生が水餃子を作り、イタリア人学生がマカロニと鶏肉を混ぜてトマトケチャップをからめたような料理を。ベトナム人が焼き春巻きみたいな物を。中国人学生が宮保鶏丁(GngboJdng) )という鶏肉とピーナッツを唐辛子とともに炒めた四川料理を。

そして私がカレーライスを作りました。どの料理も美味しくいただきました。私が特に気に入ったのはベトナム人学生が作った焼き春巻きです。中に人參、レタス、鶏肉?等が入っていて、食感は焼いたつくねのような感じです。10cmくらいの長さで食べ応えがあり、計20本くらい食べました。 金崎141214-1 金崎141214-2

食事会中、先生がイタリア人男性に歌をリクエストし、みんなの前で立って歌いました。その後私、ベトナム人という風に順番に歌うことに。その中で中国人研 修医や学生は人前で歌うのが恥ずかしいのか、中々歌おうとしません。

その後半ば強引に私とベトナム人で一緒に、中国人の手をひっぱり前に連れ出し歌っても らいました。一度前に出て歌うともう恥ずかしさは消え、みんなで立って踊ったりしてました。この日は多くの国の人達と笑いながら美味しく食事をしながら歌 を歌い、楽しいひとときでした。先生はじめみんなに感謝です!


患者さんとの信頼の重要性を身を持って感じている金崎さん。これからも一歩づつ頑張ってください!