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天津留学通信

【鍼灸マッサージ師】天津留学通信73 ~留学へ行って感じたこと~

2018年07月20日

 7月は実習も少なく帰国準備の月になってしまいましたので、6月分と7月をまとめて書かせていただきます。天津は連日40度近い猛暑日が続いており、乾燥している気候で有名な天津もさすがにこの気温になってくると、カラカラしていてスッキリしているなんて言っていられなくなります。しかも、そんな乾燥している天津も何故か今年の夏は雨天が多く、湿度も高いのでダブルパンチでもう耐え難い天気です(笑)。

 <留学生活> 

 そんな中国天津の留学生活もいよいよ最後の月になりました。いよいよ帰国となるとすごく寂しくノスタルジックな気持ちになるので、親しい友人とご飯を!なんて、親しい友人も皆国に帰ってしまったり故郷に帰ってしまっているので、より一層、最後の天津をしんみりと味わっております(笑)。

 この二年間中国天津という場所で公費留学をさせて頂いて、勉強面以外でとても素晴らしい発見、出会い、経験をする事が出来て、本当に充実していた二年間だったと思います。あの時こうしてれば、挑戦していれば、なんていう後悔はほとんど無く、ここ中国で挑戦に挑戦という目標を掲げて、最後の最後にきて達成する事ができたのではないかなと自己評価しております。そして、他国にいるからこその日本の欠点や良い点を見ることができ、沢山の発見もありました。

 「中国」と聞いて一番最初に思いつく事柄は人それぞれかと思います。私は家族や親しい友人でも中国と関係のある方たちが多かったので、ここ中国に対する偏った考え方はありませんでした。中国人の人柄に関しても、私は「中国人」として見るのではなく、「個」として見ることを尊重しているので、特に文化や習慣、教育の違いからくる疑問点や「え?何でそうなったの」という突拍子もない行動に対しても多少の理解があるのかと思っています。そしてこの国の歴史的な日本との繋がり、これに関してもより多くの事を国、政府の単位でなく国民単位で理解出来たのかと思っています。

 既に中国は日本の経済を追い越してしまって、というか経済的に日本が中国に勝てる日は来ないだろうと思っていますが、ワタシ的にはそんな中国を支えているのが現代の苦学生で、中国人の学生さんは日本人の学生さんよりも圧倒的に勉強しているのかな?と感じさせられます。もちろん完全学歴主義なのでその点については良し悪しもありますが、しかしその苦労があるからこそ、今の中国があるのだと感じました。もちろん国土や人口を抜きに経済は語れませんが、中国人学生の勉強量は本当にすごいと見て分かります(笑)

 ここ最近の中国の経済発展の要と言えるものがテクノロジーですが、それに関して中国に来てみるとやはり素晴らしいものがあります。いたる所にバーコードが貼ってあり、支払いは90%以上が電子マネー、私自身ももう現金支払いには戻りたくないな、なんて日本に帰るととっても不便な思いをするのだと思います(笑)。日本はビジネス面で次の段階に進むまでに様々な工程を踏みますが、中国のスピードにはいつも驚かされます。もちろんその反面、消えるのもとっても早いですが。

そんなパワフルで、今注目されている中国という場所で留学できるのは大変貴重な体験だと思っています。今から10年前に留学をしていた先輩方、そして現在留学をしている私、そして10年後に留学をする学生さん。この30年の間で、それぞれの「時代」にいる人たちは絶対的に感じる事は違うと思います。私のいるこの年代を具体的に言うなれば、アメリカと中国の時代の到来。という感じでしょうか(笑)もちろん日本は…という感じです(笑)。天津では日本人としてリスペクトされる事がとても多かったです。病院の中でも、「日本人の留学生か!凄いよな日本は、日本人は優秀だし、街は綺麗だし、日本の習慣には見習うべき事が沢山ある!」なんて話をよくされます。もちろん、以前のバブル期のような日本の華々しい成長を知っている中高年の方はそう思うかもしれません。私はその時いつも二つ返事のごとく言います。「中国と比べると近年の日本は経済的にも厳しくなっているし、中国にいる私から言わせてみれば、もし偉そうにしている日本人がいれば、それは何か勘違いしているのだと思いますよ」と。

というのも、巷では未だに日本人凄い!みたいなニュースをよく見ますが…世界各国それぞれの習慣や文化も違うので誇りに出来るような長所も違うと思いますし、一言で日本人は素晴らしい!なんて思うのは何か違うのでは、といつも思ってしまいます。別に自国を悲観的に見ているのではなく、過大評価している事がもはや時代遅れ、と。もちろん未だに中国の中間層や一部富裕層から日本は絶大な人気を誇っていて、私自身も日本は環境的な住みやすさ、そしてここ数年以前の様な輝きを取り戻そうと勢いづいているのも外国にいると凄い分かります。

ですが未だに悪しき日本的な習慣があるのも事実ですし、足るを知りすぎて全然前進してないよなぁ、なんて感じる事も多くあります。逆に中国では、この足るを知るについて(中国語では「知足」と言います)よく友人と話題になります、というか私が聞くのですが(笑)やはり中国では圧倒的に「不知足」で、全部欲しいし、良いものがあれば更に欲しいし、地位や権力も欲しいし。なんて結論になります。発展途上国にはそういった考えや欲があるのは事実ですが、その話を聞くといつも、日本人って欲を出すことは悪!なんて考え方が、って言うか教えられたような…日本人がお金の話を幼少期から話さないのもこういったところからなのでしょうか。途上国では貧乏・貧困こそ悪の根源なんですけどね(笑)足るを知りすぎて成長が止まった国と足るを知らないで成長する国。どっちが良いのかなぁ(笑)なんて事も考えさせてくれる楽しい留学生活でした。

これだけ日本の習慣を皮肉ってますが、だからと言って中国はとっても素晴らしい!なんて事も私は言いたくありません(笑)これに関しては最後の最後、証書の受け取りから部屋を出るまで本当に悩まされました。中国だからこその悩みも沢山あります。学校?公的期間だから?なんてのは全く関係ありません。色々と矛盾しているのです。考え方が合理的で優れている?ちょっとそれは違いますね。得勘定でしか動かない、そして何より人の立場になって考える事のできない方たちも山ほどいると思います。せめて人としての最低限のマナーやルールは守って欲しいと思いました。これは日本人だからそう思うとか、そういう事ではないのです。お金で動くならお金相当の行動はしなさいよ、なんて思うことが多々あったのも事実です。

ですが…そんな愚痴ばかりこぼしていると中国に来たいと思う人が少なくなってしまうので、程々にしておいて、マナーや価値観も私は少しずつ変化しているのかなと思います。日々の生活の中でも、私よりも上の年代の人たちと、若い世代では思考回路が少しだけ違うように思います。病院実習や、友人を通して知り合う中国人の方との会話でも。そんな価値観の変化や、マナー、教育の変化が会話や行動の中に垣間見る事ができます。人も国もそれだけ変化しているので、あと10年後には人ももっと変わっているのだろうと、次回天津に来る時が楽しみで仕方ありません、機会があればですが(笑)。

 それはそうと先日、中国に来て初めてできた中国人の友人と話す機会があり、そう言えばあの時は反日の子がいて大変だったね。なんて話で盛り上がりました。中国と言えばやはりこの話題です。未だに路線バスの中で広告されている反日の映画や、報道などでも反日を思わせる情報は沢山ありますが、同年代や今の中国の若い世代から見て反日教育そのものが時代遅れという認識になりつつあるようで、もちろんその時「あぁ時代遅れな考えだよねぇ」なんて事を私が言えたものではないですが、歴史的な背景は知って理解するだけで十分なのだといつも双方で結論に至ります。私個人の見解ですが、歴史問題はもちろん語り継ぐ必要があると思います、だからと言って自分たちの正義を他人に押し付けるのも悪だと思います、だからこそ国単位で理解をするのではなく、一つ一つの事柄として見て、何があったのかという事実を探るところから始まるのだと私は考えています。その友人は、そんな事柄にとらわれている時間は今の私たちにはないでしょう、もっと大きな事に目を向けてやるべき事が他にあるでしょう。と言っていました。そんな中国人の友人を持てている事を嬉しく思いますし、今後もそういった出会いを大切にしたいと思います。

<病院実習>

 病院実習も今月で終わり、お世話になっていた韓景献先生や付梅先生、その他病院実習でお会いした先生方だけでなく、親しくなった患者さんやその家族の方々とも会う機会が無くなるのかと思うとこれまた寂しくなります。

この実質一年半の実習を通して学んだ事は、専門的な事はもちろん医としての鍼灸、鍼灸治療はどうあるべきなのかと、日本ではそう多く学んだり考える事のできない事を経験として得ることができました。こちらの方面では既に今までで散々書いていますし、昨年度の先輩方が良い文章を残して下さっていますので、はっきり言ってここで私が書くことは無いと思っています。特に言いたいのは…中国で鍼灸を学ぶのはとても面白いです!と、なぜなら日本の鍼灸治療の良い点・悪い点を見つける事ができます。知れば知るだけやりたい事も多くなります。正直ここでは到底書ききれないので知りたい人はぜひ来てみたらいかがでしょうか。中西医結合医学っていいとこ取りした素晴らしいものだよ!と、この一言につきると思います。私のこの留学は、患者さんに還元してこそ意味を持つので、別にここで私が多く語ったからと言って何の影響力も持たないですし、何度も言いますがもし詳細が知りたければ以前先輩方が書いた記事を見て下されば分かる事ですし実際に来てみるのも良いと思います、なので私の言葉は何の意味もありません。ただ中医だけに注意したいのが、短期では絶対に分からない事がある。という事です。ぜひ少しでも時間や興味のある方がいらっしゃれば天津に来る事を強くお勧めします。

最後になりましたが、このような機会を作って下さった学校関係者の皆様方、そして先輩方、感謝しきれない思いで一杯です。この情熱を胸に、皆様のように私も活躍できるよう今後も精進いたしますので、日本の鍼灸・中医学を支える一人として、どうぞよろしくお願いいたします。こんな知性のかけらもない文章に最後まで目を通して下さいまして、本当に本当にありがとうございました!

 

田中悠理









 田中悠理さんへ

天津への留学お疲れ様でした!
毎月田中さんから送られてくる天津留学通信を楽しみにしていました。
留学での経験を生かして日本でも活躍してください!心より応援しております。

東京衛生学園専門学校 教職員一同




 

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