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天津通信

【鍼灸マッサージ師】天津通信★留学編<3> ~劉淑儀先生との出会い/臨床実習/天津の清掃・ゴミ事情~

2019年11月28日

★劉淑儀先生との出会い★
9月、まだ授業が落ち着かない頃、旧校区近くの医療関連の書籍や教科書を扱う本屋さんに、教科書を買いに行きました。せっかくここまで来たからと、天津中医薬大学附属の保康医院に寄ってみました。
こちらの医院には、大学で教えてくださっている先生方も多数臨床しておられます。また、兵頭明先生や、東京衛生に耳鍼を教えに来てくださっている厲(リー)先生の旧知の先生方もいらっしゃると伺っていたので、訪ねてみることにしました。

とは言っても、実際どちらの病院にいらっしゃるのか、何曜日にいらっしゃっているのか何も知らないまま。受付で聞いてみると、田中さん(天津留学の先輩)もお世話になった韩景献先生は退職されて、保康医院ではどちらにいらっしゃるか分からないとのこと。厲先生に紹介いただいた劉淑儀先生は、保康医院の並びにある天津華西医院にいらっしゃるということで、そのまま華西医院に行ってみました。

天津通信★留学編3-1

すると、たまたまこの日は劉先生の診察日で、お会いすることができました!厲先生に伺って訪ねた旨をお伝えすると、とても喜んでくださって、厲先生が学生時代の同級生だったとおっしゃり、大変懐かしんでおられました。そして、あなたが希望する勉強で力になれることがあったら言ってね、とおっしゃってくださったので、「臨床実習をしてみたい!」とお伝えしました。

先の報告にも書いた通り、大学と病院が離れているため、前半半年間は中国語の練習を兼ねて大学の授業に出席するだけのつもりでいました。なので、突然の展開に自分でも戸惑うほど。しかし、中国で勉強できるのは1年間だけ。どんな機会も活かして、とにかく飛び込め!とばかり、次の週から早速劉先生の下で臨床実習に参加することになりました。

天津通信★留学編3-2

★臨床実習★
こうして、月曜日と土曜日の午前中、臨床実習も開始しました。
どれほどできるのか見ているから、患者さんの吸角を取ってみて。というところから始まり、東京衛生で習ったことを思い出しながら外します。肩の周りはお肉が少なく、なかなか吸角に空気を入れることができず苦戦しました。患者さんに、指でお肉を押して空気を入れると取る時に痛くないよとアドバイスをもらう始末。

天津通信★留学編3-3

さて、こちらの病院では中医科だけでも5~6名の先生が外来を診ておられ、各先生の診察室で問診を受けたり、薬や鍼の処方をしてもらいます。患者さんはお会計を済ませると、領収書を持って治療室に来て、鍼を受け取ります。治療室は先生方共有で、20床10ブースあり、各ブースはカーテンで仕切られています。患者さんは、自分で空いているところを探し、治療の準備をして先生を待ちます。
劉先生の患者さんは頚椎病と脳血管障害の後遺症の方が多くを占めます。治療は、鍼(30分)→吸角(5分)+中薬の処方が基本で、うつぶせ、あおむけと治療を受けると、1時間以上滞在することになります。
そこで患者さんは自分のお気に入りのシーツや掛け布団を持参する方も多く、時間管理も自分でします。おばあちゃんもおじいちゃんもスマホを見ながら時間が経つのを待ち、30分経ったら、「先生、鍼を抜いて!」と声を上げます。日本に比べると、病院の中でも自分のことは自分で、が基本です。

日本で行われている一般的な施術に比べると中国では鍼の本数も刺激も治療の頻度も多く、更に中薬も併用して効果を出しています。日本ではどのような部分をどのように活かせるか、日々考えながら臨んでいます。

★まちなかの様子★
天津の街は、写真にある車に乗ったオレンジ隊の人々が清潔を保っています。
ごみ箱はそれこそ100mおき程に設置されていますが、御覧の通りいつもピカピカ。(ごみを捨てるのもはばかられるほどです。

天津通信★留学編3-4

道路も清掃車が頻繁に走っていて、とにかくきれいに保たれています。残念ながら、ごみ箱にごみを捨てる人が多くないのと、捨てられるごみの量が多いので、処理しきれていない時もありますが。

この時期、冷たい大風が吹く日も増えてきました。日本とは違って、街全体がクリスマスのデコレーションということはありませんが、現地の人々を見習って、元気に冬を越したいと思います。
(2019年11月:玉置映理子)