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天津通信

【鍼灸マッサージ師】天津通信★留学編<5> ~寒暇/春節と新型コロナウィルス~

2020年02月07日

★寒暇
1月中旬、大学は寒暇と言って、1ヶ月ほどの冬休みに入りました。そこで、授業でもお世話になった翟先生の治療室にも通うことにしました。翟先生は、大学附属の保康医院にいらっしゃって、推拿、骨傷、小児科などが主治の先生です。私が行ったその日だけでも、上腕二頭筋長頭腱炎、頚椎症、足関節捻挫、中風、風邪の子どもなどの患者さんが来ました。
一般的に針灸科の先生は同時に推拿をすることがないため、同時にはしないものなのかと思っていましたが、翟先生はその人その人に応じてどちらも使います。例えば、中風の患者さんには、推拿で拘縮をほぐしたり、筋トレをしたりした後、醒脳開竅法で刺針します。子どもの風邪には小児推拿。先生は「針もすればすぐに良くなるんだけど、どう?」とおすすめしていましたが、子どもは首を横に振るばかり。そのかわいらしい様子にみんな笑ってしまう、そんな治療室です。

★春節と新型コロナウイルス
中国は1月24日から春節休みに入りました。日本で言う大晦日に当たるこの日、中国の家庭では家族が集まり、夕食を済ませたら紅白のような番組を見ながら、年越し餃子を作ります。紅白のような番組は、歌あり、コントあり、雑技ありの華やかなもので、ネット上では今年の司会者の化粧が厚かった云々というようなコメントがやり取りされるほど盛り上がります。
私たちも、天津のお友達のお宅に招かれて、餃子作りを体験させていただきました。数年前から年越しの爆竹は禁止されているので、ごく静かにその時を迎えました。



しかし、今年がいつもと違うのは、新型コロナウイルスによる肺炎の影響です。

1月24日、天津市では、感染拡大を予防するため人の集まる状況を作らないことを決めました。具体的には、美術館、博物館、劇場などの営業停止、イベントは中止、不要不急の外出を控えるように通達が出ました。これに伴い、イベントや鉄道、飛行機などのチケット全てが、キャンセル料無しでキャンセル可能になりました。
25日、市内の道路、地下鉄、他都市への新幹線は問題なく運行されていますが、天津市も北京市も他都市との道路の封鎖を決定しました。
このわずか2-3日の対策の早さと徹底振りに驚かされました。

もともと、子どもたちのビザの有効期間が180日のため、1月28日に子どもたちだけで北京から一時帰国する予定でした。しかし、この勢いで防疫対策が進むと、28日の出国も危ぶまれ、私自身も北京と往復できなくなってしまう可能性も出てきました。そこで、26日、急遽3人で天津から帰国しました。

大学の寒暇開けは2月17日の予定ですが、この日、事務室から開始時期は改めて連絡するとお知らせが来ました。連絡するまでは防疫上大学に戻ってきてはならないという、厳しいものです。WHOも緊急事態宣言を出し、この先の見通しが立たなくなってしまいました。お世話になった先生方や、仲良くしてくれたお友達に挨拶もそこそこに帰国しなければならなかったのは、とてもつらいことです。

日本人学校の子どもたちも、1週間の春節休みに入ってそのまま散り散りになってしまいました。再開時期がまず2週間延期されて2月17日になり、2月6日朝、3月1日に再延期されました。学校に通えない状態が長引いてしまい、日本へ本帰国を決めたご家族もいます。
私の子どもたちは、半年前まで通っていた小学校に早速お世話になることができました。みんなが待っていてくれる、帰る場所があるふたりは幸せでした。帰国してから、なんとなく外出もはばかられたので、家にこもっていましたから、普通に学校に通える日常のありがたみを噛みしめました。

1日も早く事態が収束することを願ってやみません。
(2020年2月:玉置映理子)