リハビリテーション学科Blog

【理学療法士】日常生活活動論~障がいをもたれた方のお話~

2015年11月04日リハビリ

3年制で理学療法士をめざすリハビリテーション学科の2年生が「日常生活活動論」の授業に取り組みました。

日常生活活動論では日常生活動作(ADL=activities of daily living)について学びます。
日常生活動作とは、一般的に「食事」「更衣」「排泄」「整容」「入浴」の5つを指し、人が生活する上で必要な基本的動作(洗顔や歯磨きなど毎日繰り返される動作)のことです。

普段何気なく行う、洗顔、歯磨き、着替え、調理などの動作も、障がいをもたれた方にとっては、体力や神経を非常に消費する動作になりえます。
日常の基本動作をいかに負担なく、そしてストレスなく行うか、患者さんの日常生活を知り、生活状況や身体機能を踏まえて(ADLの評価)、退院後の生活の工夫・改善、提案も行うのも理学療法士の仕事です。

今回の授業では、10年前に脳出血を発症し、右半身が麻痺している患者さん、そしてその方の担当理学療法士をお招きし、障がいを持った後の生活状況についてお話しを伺いました。



学生さんには、事前に「フェイスシート」が配布されます。
お招きする患者さんの疾病名や身体機能の状況、生活状況(自宅の簡単な見取り図)などの情報が記されています。
学生さんは、この情報をもとに「どんな場面」で「どんな問題」が起こりそうか考えます。



授業が始まると、「食事」「更衣」「排泄」「整容」「入浴」の分野別に学生から質問を受け付け、患者さんにお答えいただきました。
「歯磨きはどうされていますか?」
「髭を剃る時は?」
「鼻をかむときは?」
と、学生さんからの質問が次々に挙がります。



普段使用されている爪切りを見せていただきました。
右手が動かないため、左手の爪は自助具を使って切っているそうです。



2枚の木の板にアクリル板と爪切りがついており、山なりになった木の板を押し込むとアクリル板が爪切りの柄を動かし、左手だけで爪が切れるようになっています。
実際にお話しを聞くと、さまざまな工夫をしながら生活をされていることに驚きます。

リハビリテーション学科では、今回のような患者さんから直接お話しを聞く授業の他に、重りや車イスを使い、障がいを体験しながら調理を行う授業もあります。障がいを持った方が何に困り、何を望むのか、学生自身が体験し考えてもらえるようにと、このようなカリキュラムを組んでいます。
 

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