東洋医療総合学科Blog

【鍼灸ブログ 大希のつぶやき】 教育実習

2015年06月22日授業の様子

6月に入って最大のイベント。それが教育実習です。
イベントといっても、私達教員にとってでも、東洋医療総合学科の学生さんにとってでもなく、臨床教育専攻科の学生さんにとってです。

臨床教育専攻科は、教員養成科とも呼ばれ、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の国家試験保持者が学科名の通り、臨床と教育を学ぶ場です。アドバンスコースですね。でも、そこに専門学校での教員資格が関係してくるので、所謂、教育実習があるのです。大変だ(笑)。クラスメイトは全国の鍼灸学校に散らばり、2週間そこの学校の先生方下でお世話になってくるのです。教育の素晴らしさを、難しさを、悔しさを…。そして教員になりたいと思うか、絶対にやらないと思うか。そんな私も15年前に経験しています。

今年、本校の東洋医療総合学科で教育実習をすることになった、臨床教育専攻科2年のオンダさん。あん摩マッサージ指圧が専門の彼女は、その専門を教育実習の実技でやることに。

写真:みんなでオンダさんを囲みます(笑)。緊張するねー。


写真:よそ見している…わけではないよ。説明しながら、手を動かし、そして学生の理解度を確認する為に学生さんの顔を確認しながら様子をみる。


写真:手から気を出しながら「シューッ」と言っている…わけではないよ。身振り手振りで少しでもわかりやすく説明。


写真:笑顔のオンダさん…じゃないよ(笑)。昼2年のコウノさん。


実技の授業は難しいです。

実技は座学と違ってわかりしゃすく説明するのが難しい。
でも、わかりやすく説明する、とかっていうのは教員なら当たり前のこと。だってそれが仕事なんだから。魚をさばけない魚屋さんなんていませんし、料理のできない食堂のおばちゃんもいません。

では、実技教員の絶対条件とは何か。
1つ、臨床をしていること。
1つ、圧倒的な技術を身に付けていること。

ここで言う臨床とは、治療院を基準とした患者さんの治療です。病院での治療というのは、ちょっと違います。来てもらうのと、自ら行くのの違い。そして、患者さんが治療者に付くか病院に付くかの違い。オシャレなイタリアンのパスタとコンビニのパスタのように、頑固おやじのすし屋さんと回転ずしのように。どっちが良いか悪いかではなく、自分がやりたい仕事はどっちなのか。卒業生のほとんどは、治療院で仕事をします。だから、治療院で臨床をしないと気付かないことって山ほどあります。治療する病気がいっしょでも、使用する鍼がいっしょでも、まったく違うのです。

学生さんが見て凄いと思わない技術を学びたいと思いますか?小さい頃に両親の肩を揉んでいたのと、学校の授業で習う肩の揉み方が同じだったらどう思いますか。野球少年がテレビを見てプロの選手に憧れるように、これから自分達が学ぶ技術に感動できずに一生懸命練習できますか。ちょと練習したら先生と同じことができるとか、あの先生下手だななんて思われるような実技教員は最悪ですよ。

さて、今年の教育実習生達の中から何人が学校の先生をやりたいと思うかなー。