東洋医療総合学科Blog

【鍼灸ブログ 大希のつぶやき】 かくぶつきゅう

2016年03月01日授業の様子

かくぶつきゅう。
漢字で書くと「隔物灸」。
読んでそのまま、隔物を使うお灸です。
下の写真はスライスした生姜(ショウガ)です。他にもニンニクとか塩とかもあります。


日曜日の国家試験にも出題された隔物灸。本校では2年生の授業で習います。
ちなみにどのように出題されたかというと…

第24回きゅう師国家試験
問題156 免疫機能低下の患者に適した灸はどれか。
1.紅灸
2.打膿灸
3.焦灼灸
4.隔物灸

で、正解が4の隔物灸。超簡単な問題ですね。サービス問題でしょうか(笑)

写真:隔物灸を指導中の小林先生。


で、この隔物灸、隔物の上からお灸をします。お灸には体を温める効果をはじめ多くの作用がありますが、格物に生姜を用いることで、温熱刺激の緩和効果+生姜のからだを温める薬理効果があると言われています。


隔物灸は中国の『肘後備急方』という古典が出典です。3世紀後半~4世紀前半にかけて活躍した神仙家(神や仙人なんかの不老長寿を研究をしていた人と言えばいいかな)の葛洪(かっこう、号は抱朴子)が著した医学書です。医学書と言っても難しいものではなく、家庭の医学書と言ったほうがいいかもしれません。『肘後備急方』の「肘後」は着物の袖の下、や袂(たもと)の意味があり、「備急」は救急とか応急処置なんかの意味があるんです。


中国古典が好きな方なら『肘後備急方』は読んだことなくても、抱朴子』(こちらは著書のタイトル。不老不死の研究書)を読んだことあるかも。これは現代語訳も出でますので。春休みに何か本読みたいなーって人は読んでみて。