東洋医療総合学科Blog

【鍼灸ブログ 大希のつぶやき】 鍼灸学校の選び方 その2

2016年08月31日受験生必読!

みなさんこんにちは。東京衛生学園専門学校東洋医療総合学科専任教員の髙橋大希です。
いつもブログを見て頂きありがとうございます。

さて、今年の体験入学も順調に開催されておりますが、今回のブログは鍼灸学校への入学を考えている受験生からの質問にお答えした内容を、今後の学校選びの参考の為に紹介したいと思います。意外と皆さん同じような悩みを抱えているようで、私のほうで今年も何度か質問があった内容となっております。それではさっそくご覧ください!



「はり師」と「きゅう師」と「あん摩マッサージ指圧師」。どれも東洋医療のして日本で長い歴史を持っておりますが、現在の日本ではそれぞれ単独の資格となっております。一般的にはからだにあるツボに鍼をしたり、灸をしたり、指で押したりして病気の治療をするものだと思われていると思います。実際、間違ってはおらず、その為か3つの資格取得の為に勉強する内容はほとんど同じということを知っているでしょうか。

解剖学、生理学、病理学、臨床医学各論、臨床医学総論、東洋医学概論、東洋医学臨床論、経絡経穴概論、関係法規、医療概論、リハビリテーション概論といった科目です。国家試験は四択問題で150問出題されますが、その内140問がこれらの科目で、「はり師」と「きゅう師」と「あん摩マッサージ指圧師」で同じなんですよ。


では違う科目は何か。はり理論、きゅう理論、あん摩マッサージ指圧理論の3つの科目で、これらがそれぞれ10問出題されるので、1つの国家資格が150問になるのです。3年間勉強して受験する試験問題150問の内140問が同じ科目なのに、「はり師」と「きゅう師」の資格しか取らないって、単純に損だと思いませんか。

だから3つの資格を取得できる学校が断然お勧めです。

そもそも、なぜに2つの資格と3つの資格の学校があったり、学科があったりするのでしょうか。
日本では昔から目の不自由な方の職業の一つとしても「はり師」「きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」があります。ですので、各都道府県に目の不自由な方の為の学校もあるのです。その為、あまり学校があると職域を圧迫する恐れがあるからと言われております。

今から10年以上前に「はり師」「きゅう師」の学校や学科を新たに創ることが許可されましたが、「あん摩マッサージ指圧師」の学校・学科創設の許可は下りていません。数年前、そして今年の春にも申請を出したところがあったのですが、やはり許可が下りませんでした。どこの学校も3つの資格が取れる学校を創りたいんだと思います。ちなみに、昔は「按摩マッサージ指圧師」の資格は2年間で取得できたりもしました。

だからこのような事が起こる以前からある学校は「あん摩マッサージ指圧師」の資格が取れる学校と学科があるのです。ですので、このような事実を知っている受験生は絶対に3つの資格の取れる学校を受験します。当たり前ですが、資格によってできる仕事は違いますからね。だから3つの資格が取れる学校と学科は受験倍率が高く入学の難しい学校・学科と言うことになります。東京衛生学園専門学校の受験倍率が高い理由の一つです。ですから、3つの資格が取れる学科と、「はり師」「きゅう師」の2資格だけの学科では、当然3つの資格の学科が人気になります。よって、3つの資格の取れる学科はすぐに定員になり、「はり師」「きゅう師」だけの学科は余裕が出ます。

3つの資格があると、3つの仕事ができる(無資格者のマッサージが問題になってますね)。
あん摩マッサージ指圧をすることにより鍼灸の技術向上にもなる。
3つの資格のほうが就職先も多い。

つまり、いいことしかないんです。それでも2つの資格だけでいいですかね。

これだけの理由があるのに、もし、3つの資格が取れる学科と、「はり師」「きゅう師」の2資格だけの学科がある学校なのに、その学校の先生が「はり師」「きゅう師」だけの学科を勧めてきた場合には、ちゃーんと理由を確認したほうがいいです。学び舎とは言え、今の時代は学校も経営の問題も抱えていますからねー。こんなことをブログに書くと2資格だけの学校の先生からクレームが入りそうですが(笑)。だから、それでも入学したいと思える学校だったら本当に素晴らしいです。

3年間という時間、学費、学校としての魅力、そして取れる資格の数。学校選びは慎重に。
ちなみに、私も3つ資格を持っていますが、現在は「はり師」と「きゅう師」しか使っていません。資格を取って2年間「あん摩マッサージ指圧師」としても働いていましたが、私はやっぱり鍼灸が好き!ってことがわかったので。こんなこともあるから、3つをお薦めします。
※「鍼灸学校の選び方 その1」はこちらからどうぞ。