東洋医療総合学科Blog

姿勢

2013年09月20日授業の様子

いくつかの鍼灸専門学校に関係している方から、なぜ東京衛生学園学校の授業の様子を見学すると、皆、姿勢が良いのかと尋ねられた。
 
せっかくなんで答えてみましょう。
 
刺す、という動作は、生まれてから今日まで、このブログを見てくれている方々の年齢であれば、誰もが経験しているはずです。
 
フォークを肉に刺す。爪楊枝をリンゴに刺す。布に針を刺すなど。
 
鍼灸学校に入学して人に鍼を刺す前に、多くの人が『刺す』ことを経験している。実はこれがやっかいなんです。先の3つの刺す、どれを一番最初に経験したのかは個人によって違うと思いますが、刺し方を誰に、どのように習ったか覚えている人はいないでしょうし、次の刺すは、教わらなくでもできたでしょう。そうすると、それらの人生経験から、刺すことが、容易にできると思ってしまうんです。
 
そして、この『刺す』という動作が、『鍼』においても当てはめようとしちゃうんですよね。
 
でも、鍼治療の『刺す』は、『目的』ではなく『過程』であり、刺さっても効果な無いのであれば何の意味もないです。だから、刺すことに喜びを感じだり、満足してしまうような授業を行うと、鍼を刺すのが簡単と、学生さんは勘違いをしていきます。
 
では、効果がでる刺し方は何が違うのか?
 
その一つが、鍼を刺す時の『姿勢』です。
 
『刺さった』という結果だけに注目しないで、どのような姿勢で刺していたのかを考えてみる。では、どうすれば正しい姿勢かどうか判断できるようになるのか。それは教える先生の技量に尽きます(笑)。まっ、ぶっちゃけて言えば、あなたの学校で実技を教えている先生は、鍼を刺すのが上手ですか、というのが一点。そして、その先生は自分が上手にできていることを他人に伝えることができていますか、というのがもう一点。
 
下手な教員が教えているなんてのも問題外として、その先生自身は臨床もやられて経験豊富でも教えるのが上手いかというのは別問題。西洋医学系科目を教えるのが上手な先生っていっぱいいますが、東洋医学のような馴染みのない分野や実技となると、かなり少ないような気がします。
 
最悪なのは自分がどのようにやっているのか自分自身でわかってないもんだから、いきなり見て真似をしろというもの。見て真似をさせるなら、どこを見ればいいのかを教えてあげて、見方を身に付けさせないと無理です。私もそのように教わりました。
 
どこの鍼灸学校でも、鍼灸実技の基礎が身に付けれるかと思っているなら大間違いです。うちは徹底的に身に付けさせますよ。泣くくらいに(笑)
 
 
写真:初めて他人に刺鍼中のエリカ。幻の一日金髪(笑)
 
写真:次の時間にはこの通り。ついでに髪の色も変わってます(笑)。