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【東洋ブログ 大希のつぶやき】伝統鍼灸学会に行こう!&書籍紹介①

2019年11月19日イベント

今週末、東京船堀駅前のタワーホールにて第47回日本伝統鍼灸学会の学術大会が開催されます!
日本伝統鍼灸学会とは、簡単に言うと、2000年ともいわれる鍼灸の伝統的な治療法を現在の日本で行っている、古くも新しい古典的な鍼灸治療家達による学と術の研鑽の場です!
3年に1度の東京大会ですが、連休に重なっているということもあり本校の学生さんも大勢参加します。
ということで、今週は大会の見どころを兼ねて久しぶりにお薦めの本を紹介していきたいと思います。

さて、今大会の会頭は本校の臨床教育専攻科の非常勤講師を長年務められた小林詔司先生。
まー、本校の非常勤講師だったという紹介より、「積聚治療(しゃくじゅちりょう)」という鍼灸治療法の創始者であり、現在は積聚治療の啓蒙普及を目的とした「積聚会」の名誉会長、そして日本伝統鍼灸学会においては副会長も務められた小林先生です

小林先生は占いで有名な「易(えき)」の思想が鍼灸治療には欠かせないと長年言っており、先生の著書には鍼灸に関するものだけでなく、「易」と『易経』の入門書として『鍼灸師の為の易経入門』(緑書房)を書かれております。

ちなみに、私はその小林先生に「易」の手ほどきを受けてきたのですが、「易」を学ぶというのは鍼灸を学ぶのといっしょで一筋縄ではいきません。鍼灸も「易」(占い)も実際にやってみないと分からないことが多いです。実践あるのみなんですよねー。頭でっかちではダメ。

そんな小林先生による会頭講演「易と鍼灸」が24日(土)に行われます。

で、その講演に合わせたかのように先月小林先生が新しい易の本を上梓されました。
タイトルが『易の実践読本』(静風社)です。ちなみに専門書ではなく一般の方向けの本です。


さて、肝心の中身ですが、易の入門書や解説書って山ほどあるのですが、本著は占い内容全64が開きページで展開しており、右ページに占いの説明、左ページに解説と例が掲載しております。
※専門的な説明をすると、通常、大成卦の説明は「序卦伝」の順序に記載されることが多いのですが、本著は小成八卦の先天図の順序で陰陽関係を確認しています。

また、解説部分には易と鍼灸の関係性を示す内容や健康管理に役立つ内容なども載っており、一般の方で易や鍼灸そして健康に興味のある方が手に取りやすい内容となっております。なので、鍼灸師はもちろんのこと、鍼灸学校の学生さんにもお薦めです!会頭講演の前に読んでおくと当日の講演内容が理解しやすくなると思いますし、会頭講演を聞いた後に易に興味を持ったなら是非読んでいただきたい内容となっております。

背表紙に筮竹を持つ小林先生のイラストがかわいいでしょ。


ちょっと専門的なコメントになってしまいますが、鍼灸師の皆さんが本著を読んでみて、「積聚治療のことを言っているな~」と思うことがあるかもしれません。しかし、それは使用している「用語」から感じるのだと思います。小林先生は「積聚治療を広めたい」っていうよりも、「易の考えを広めたい」って思っているので、そのへんのことを少し頭に入れて読んで頂けると、太極という一元的な考え方をベースに鍼灸を考えてみることが、日本の伝統的な鍼灸治療に何かの光を照らすのではないかと思っております。…なーんて私が書きすぎると、やっぱり!ってなってしまうんじゃないっかとブログを作成しながら感じております(笑)

鍼灸師の皆さんは、是非事前に読まれてから講演を聞いて欲しい1冊です。
日本伝統鍼灸学会外渉部の部長もやってます
専任教員 高橋大希