東洋医療総合学科Blog

【東洋ブログ 大希のつぶやき】1年生片手挿管始まりました

2024年06月11日授業の様子

鍼治療をなんとなく知っている人なら、なんか「トントン」って鍼を刺しているのを見たことがあると思います。もともと中国から伝わってきた鍼治療ですが、鍼を刺す時には、爪楊枝をカットしたフルーツに刺すように、片手でブスッといきますが、日本では文化的な背景もあってか鍼が細く柔らかくなり、また刺す際の補助具として管(鍼管:しんかん)が使われるようになりました。


管に、管より長い鍼を入れて、出ている部分を「トントン」です。で、問題はどうやって鍼管に鍼を入れるか。両手でもいいのですが、片手で入れる技があります。現在は「片手挿管(かたてそうかん)」と言われております。 近代日本鍼灸の中興の祖とされている杉山和一先生(1610~1694年)が広めた多くの技の中に片手挿管があります。当時はたしか、鍼片手取りとか言っていたような文献の記憶があります。ってことで片手挿管の練習が始まりました。


サオリンのを見てみよう。


タオルに刺さっている鍼を右手で抜いています。その手の中には見えないけど鍼管があります。


くるっと回して…


はい、鍼が鍼管に入りました。


ナガシマさんでも見てみよう。


あっ、もう鍼管に鍼が入ってます(笑)



にゅにゅにゅっと管が伸びてきて…


保持して完成!


ってことで皆で猛練習開始です。


今年の1部1年生で最初にできたのは…スズネでした!ってことで皆の前で披露させます。緊張です(笑)


緊張からの…


ドヤ顔です(笑)。まーまーかな(笑)


この片手挿管の動作を1分間に15回以上、ペアの肩にタオルの乗せてその上でやっていきます。実際に肩でそれができると、例えば軽い肩こりや、風邪の引きはじめを治療できます。刺した鍼が鍼管の中を何度も通ることに関して衛生面を指摘する声があったり、現在では教えない学校もあります。教えていても1分間に15回なんてレベルの指導はしていないでしょう。実際の臨床で1分間15回のスピードが必要なこともないでしょう。でも、無意識に片手挿管ができるレベル、これから多くの技を身に付けていくに当たって、これくらいの事ができる「手」でないと、先が思いやられます。まっ、私に言わせれば、武士のたしなみみたいなものですね。