東洋医療総合学科Blog

【東洋ブログ 大希のつぶやき】日本鍼灸の技 片手挿管

2025年07月12日授業の様子

1年生のはり実技が開始したことを前回のブログでお知らせしました。
【東洋ブログ 大希のつぶやき】1年生ようやく鍼はじまりました

鍼の刺入に先立って練習していたことがいくつかありますが、その1つが「片手挿管(かたてそうかん)」です。


日本の鍼は、中国の鍼に比べて細いです。これは、日本人の体質や文化が影響していると考えられます。痛いのが嫌とか、人体の気を調節するとか。そして何より、鍼をつくる職人さんあっての細い鍼です。で、鍼が細くなって刺すのが難しくなったからなのかは分かっていませんが、鍼を刺すための補助具である「鍼管(しんかん)」が考案されました。管鍼より少し太い管に、管より少し長い鍼を入れて、管より出ている部分を叩くことで鍼を刺します。このような管を使った技を「管鍼術(法)」と言います。その中の一つに「片手挿管」があります。読んで字のごとく、片手は鍼管に鍼を入れる技術です。

写真:上の写真のヤマちゃんの手元をアップ。指先で持っている鍼と、手のひらの中にある金属の管が見えますかね。


お互いに見て確認。


ペイペイコンビもやってます。


最初は思い通りにいかず苦戦します。


他人の見るのも大事な練習法。


皆で話し合って、「片手挿管」を「言語化」していきます。これ、超重要。しかも4人で話し合いながらの「言語化」


言語化することで、1つの技、動きが「分解」されます。そしてそれを「再構築」する作業を繰り返していきます。
技術習得のコツなのですが、このブログを見ている人の中でどれくらいの人が分かってくれるだろうか。


写真:ミサキがメモっているところを後ろから撮影。


写真:ノートを拡大。私の指示でだいたい13に分解していき、「再構築」を試みます。


臨床を意識して、相手の肩の上で片手挿管をしていきます。


ちなみに、東京衛生学園の片手挿管の条件とルールは、条件①使用する鍼はステンレス寸3ー5番。②鍼管は八角のステンレス製。


ルール①刺入に関係なく弾入を3回後、抜鍼して片手挿管。②1分間に15回です。


1分間に15回。できますか。
多くの鍼灸学校は10回以下だと思いますし、学校によっては「単回使用毫鍼で片手挿管?」とかごちゃごちゃ言って教えてない、教わらない学校もあるそうです(笑)。東京衛生学園の実技指導において、片手挿管の1分間15回というのは「武士のたしなみ」みたいなもので、これくらできないと、できる手じゃないと、鍼は上手になりません。という考えです。確かに、片手挿管を使用しなくても鍼は刺せますからね。さて、もしあなたが入学希望者だったらどうしますか。東京衛生学園を選びますか。まー、私に言わせれば、学校選びの一つの条件にあげてもいいかもしれないね。