東洋医療総合学科Blog

【東洋ブログ 大希のつぶやき】2年生の鍼実技の様子

2024年06月04日授業の様子

2年生の鍼灸基礎実技Ⅱ。担当は田坂先生です。ある意味、一番厳しい授業が田坂先生の鍼の授業だな(笑)
上野先生と何か話をしている。


1年生では、人体の知識(解剖学)がまだ勉強中でしたし、鍼の技術もまだまだなので、足にばかり刺していましたが、2年生からは手、頭、そしていよいよ腰から背中に鍼をしていきます。


ミドリが刺しています。腰のツボ、腎兪(じんゆ)と大腸兪(だいちょうゆ)を左右合計4穴。まずは垂直に鍼を刺す練習です。鍼を皮膚面に垂直に刺すことを直刺(ちょくし)といいます。これが当たり前にできるようになったら、斜めに刺す斜刺(しゃし)を練習します。1年生で斜刺を十分練習していますが、腰は、筋肉の硬さや盛り上がりが足とは違いますので、直刺も意外と難しい。


青丸は良い感じの直刺です。赤丸は少し頭側に倒れて斜刺になってます。残念。


マイちゃん。


マイちゃんもミドリと同じ左腎兪(赤丸)が外側に倒れています。ってことで…残念(笑)


この腎兪というツボですが、短い鍼なら問題ありませんが、長い鍼だと腎臓に刺さる可能性がある為、深さの調節が必要です。で、この腎兪から上(背中、肩)のツボを刺す時には斜刺でないと内臓に刺さる可能性があります。少しの角度の違いで、治る治らないではなく安全危険の評価になってしまいます。


2年生の1年間をかけて腰から背中、肩と上がっていきますが、学校によってはこのような部位(ツボ)では鍼を刺す練習をしない、危なくないように浅く刺す(効果が不十分)などで誤魔化して、卒業後に頑張って!って授業のところもあります。鍼灸マッサージ学校の授業内容って、とくに実技は学校ごとに全然違います。鍼灸師として全身に鍼が自信をもって安全にさせる、多くの症状に対応できるような技術を身に付けるのが基本です。スポーツの現場で鍼が用いられるのもそんな技術の応用ですし、いま流行の美容鍼灸もその応用。基本を無視して美容鍼灸を身に付けたところで、たかが知れています(注:美容鍼灸の批判ではなく、習得技術の順番の指摘です)。

写真:渡邉先生が学生時代に体育祭や学園祭などで着ていたクラスポロシャツ。この頃すでに基本が大事。

今の流行にのって美容鍼灸を学校の売りにしても、流行とはいずれ廃れていきます。学校で身に付けて欲しいのは流行に左右されない基本技術だと、東京衛生学園では考え長年実行しておりますし、その結果は多くの卒業生が示してくれています。
(注:美容鍼灸の批判ではなく、習得技術の順番の指摘です)
学校選び、乗るのは流行ですか?それとも伝統(歴史)ですか。