東洋医療総合学科Blog

【東洋ブログ 大希のつぶやき】中国鍼灸 火鍼

2025年07月08日授業の様子

今年もあの熱い授業が始まりました!
熱い熱い鍼、字のごとく熱い鍼、「火鍼(かしん)」です。

写真:アルコールランプで鍼を炙ったところ。鍼尖が赤くなっているのが分かります。この状態で人体に刺します。

火鍼は2000年前の中国で書かれた『霊枢(れいすう)』九針十二原篇にこそ、名前は確認できませんが、その後の「九鍼」図には確認できます。某先生の説では、九針中の「大鍼」の「大」の字は「火」 の字の誤植ではないかと。『霊枢』九針論もそうですが、関節の水を排泄するのに使うとの説明がありますが、実際に「大鍼」を「委中」や「膝眼」に使用しても排泄されません。しかし、「火鍼」だと排泄できますし、消毒面から考えても(加熱消毒)、某先生の説は納得です。

写真:杜思敬(1234~1316)によって書かれた『鍼経摘英集』は鍼のイラストが初めて描かれた鍼灸古典です。赤丸の部分を拡大すると↓

「燔鍼(ばんしん)」と読みますが、「火鍼」の昔の名称です。

本校の卒業生で「東京九鍼研究会」会長の間純一郎先生が授業のお手伝いに来て下さってます。
→「東京九鍼研究会」が気になる方はこちらからHPをチェック!

写真:ジャガイモで火鍼のデモンストレーションをする間先生。後ろにはいっしょに授業のお手伝いをしてくださっている浜田先生。

7月5日の【東洋ブログ 大希のつぶやき】2年生の鍼灸実技 日本鍼と中国鍼、で中国鍼の刺し方について説明していますが、これが分かっていると3年生になって火鍼を習った時に違うんだよねー。基礎ができているのよ。基礎が。



写真:全員でジャガイモ練習をスタート!

写真:いつになく真剣なケンティーとユウカ。


写真:コダさんとダイチも真剣。コダさん、口あいてるよ(笑)


写真:実際にプロの技術を体験するのも勉強。皆、今日の身体の状態を相談し、間先生は一瞬の判断で火鍼をするツボを決めていきます。ちなみに、火鍼って全然痛くないんです。「どーん」って衝撃が凄いです。


写真:こちらのベッドは浜田先生が担当してくださっています。受けているの誰だろう。


写真:ここからが東京衛生の学生の凄いところ。早速、お互いに練習開始!モエピーがフミヤに刺します!


写真:シュンゴもユッキーと練習開始!

火鍼」は中国では使われることが多いですが、日本で使用している人は少ないです。現代においては、中国の国医大師(国が認めた名人)の賀普仁先生が、ご自身の鍼灸治療法「賀氏三通法」の中で、「火鍼」を用いていました。間先生の師匠であり、東京九鍼研究会の初代会長の石原克己先生は、その影響を受けて火鍼を用いていました。日本における「火鍼」普及の第一人者と言えると思います。

なかなかお目にかかれない「火鍼」ですが、東京衛生学園では、見て、受けて、やってみることができる。学生中に何を知り、何を学んだが、何を身に付けたか、卒業してからその価値が分かるんだよねー。

いい授業そろえてます
東京衛生学園専門学校教員 高橋大希