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【東洋ブログ 大希のつぶやき】鍼灸治療の型
2025年07月17日授業の様子
鍼灸にはいろいろな治療法があります。それは中国も日本も同じです。東京衛生学園では、20年以上前、私が教員になってから日本鍼灸(日本伝統鍼灸)を学校の鍼灸実技に導入しております。7月9日のブログ↓で紹介した積聚治療もその1つです。
【東洋ブログ 大希のつぶやき】陰陽そして太極という発想
積聚治療は、小林詔司(1942-2022)先生が創った鍼灸治療法です。
小林先生が鍼灸を追究する中で、大きな影響を受けたものの一つが「易」です。
「易」、ご存じですか。一般的に占いとして有名な「易」(易占い)の体系ですが、宇宙の秩序や変化の法則を読み解くための思想体系でもあります。前回、その体系の根本である「陰陽は太極より生じる」ことについてチラッと触れました。

下の図の赤い枠の部分を説明したものです。

陰(記号⚋)と、陽(記号⚊)が、太極より生じます。
すると(青点線枠)、陰から陰(老陰)と陽(少陽)、そして(青線枠)陽から陰(少陰)と陽(老陽)が生じます。

さらに(緑点線枠)、陰(老陰)から陰(坤)と陽(艮)に、(緑線枠)陽(少陽)から陰(坎)と陽(巽)が生じます。
同様(黄点線枠)に陰(少陰)から陰(震)と陽(離)に、(黄線枠)陽(老陽)から陰(兌)と陽(乾)が生じています。
赤→青→緑と黄は、段階で説明すると、太極→陰陽(両義)→四象→八卦と呼ばれます。
古代中国では「宇宙」は気でできていると考えました。
易は「宇宙」を「気」をすべて「陰陽」で説明することを試みた思想体系で、それを「人」に応用したのがいわゆる東洋医学、中国伝統医学となります。
図のそれそれの「枠線」は、結局、始まりである「赤枠線」と同じであることに気づくでしょうか。結局のところ、どんだけ細かく陰と陽に分けていっても、「始まり」は同じであり、「部分は全体を表し、全体は部分を表す」ことに気づくと思います。積聚治療は、この「始まり」である「太極」に注目した治療で、太極に影響を与える治療の「型」があります。
写真:お腹に鍼をする原先生。

写真:原先生を真似て、お腹に鍼をします。「腹部接触鍼」という「型」の一部です。

写真:原先生が脈診をします。

写真:みんなで脈診を真似ます。

写真:原先生がモデルを座位にして肩に鍼をしています。「肩部治療」という「型」です。

写真:みんなで肩部治療を真似ます。

写真:最後に記念撮影。3年生はなぜか撮りたがる。先生が印相をつくるので…

写真:みんなで真似る(笑)。

「学ぶ」の語源は「真似る」にあるとの説があります。鍼灸の技術習得の基本はまさに真似ること。
昔は、徒弟制度の色が濃く、師匠を真似ることから始まったのですが、学校では同じようにはいかないことが多いです。なので、東京衛生学園の実技教育はかなりの「こだわり」があります。多くの講師がいるのも理由の一つ。「真似たい」「学びたい」人との出会いの機会は多いほうがいいからね。